ふるさとの原風景を守るため。仲間とはじめた農業法人
東松島市の根古(ねこ)地区は、田園風景が美しい集落です。21世帯が代々受け継いできた40ヘクタールの水田に、夏にはたくさんの源氏ボタルが舞います。
現在、この美しい景観の源でもある水田を管理するのが、農事組合法人みずほファーミングです。
高齢化が進み、それぞれの家で水田を管理することが難しくなってくることを危惧した根古地区の兼業農家3人が2008年(平成20年)にみずほファーミングを立ち上げました。その考えに賛同した住民から約半分の農地を預かり営農を開始し、現在(2023年3月)は、同地区で31ヘクタール(地区外を含めると33ヘクタール)の農地を管理しています。
みずほファーミングにより、多くの水田が維持管理されるようになったものの、創業から15年が経ち、現・代表理事の相澤さんも65歳になったことから、みずほファーミングの後継者となってくれる新しい仲間を迎えることにしました。
ふるさと納税でも人気の「ほたる米」
みずほファーミングの主力は、味と香りがよく、ねばりが強い宮城県を代表する品種「ひとめぼれ」。これを「東松島ほたる米」としてブランド化し、福祉施設や学校、飲食店、輸出事業者などに直接販売しています。中でも東松島市のふるさと納税の返礼品では、年間約700件の寄付を集める人気商品です。
みずほファーミングでは「ひとめぼれ」のほか、同じく宮城県の品種「だて正夢」と飼料用米を栽培しています。また、合わせて20アールのハウスでキュウリやリーフレタスも栽培。ブランド化による米の販売とハウス栽培などが功を奏し、黒字経営を続けています。
次期経営者候補として根古の仲間に
現在、みずほファーミングは、代表理事の相澤さんのほか、理事2名、正社員1名、パート従業員3名で運営されています。今回はこの組織に加わり、将来的には理事として、みずほファーミングを経営し、根古の原風景を守ってくれる後継者候補1名を募集します。
後継者について相澤さんは、「未経験者でも構いません。自分たちも毎年毎年、いかに効率よく、生産性を上げるか学びながら農業をしているので、体力とやる気があれば大丈夫です」と話してくれました。一方で「根古の住民になって、草刈りや水路の泥上げなどの共同作業にも参加して欲しい」とも。地区の水田を預かる農業法人だからこそ、技術以上に住民との関係性を大切にする必要があります。
住む家はありますか?と尋ねると「心当たりはあります」との返答。会社の先輩(代表)であり、根古の先輩でもある相澤さんがいれば、就農も移住もきっと心配ありません。
ホタルの里の住人として、根古の風景を未来に残す営みは、都市では得ることができない充実感をあなたに与えてくれるはずです。