行列のできるトウモロコシ、「やまだのきみ」を作る農家の後継者を募集中! | ニホン継業バンク
  • 会員登録
  • ログイン
  • 自治体の皆さまはこちら

2024.05.31

行列のできるトウモロコシ、「やまだのきみ」を作る農家の後継者を募集中!

後継ぎ募集

テレビ番組をきっかけに注目

春は桜がこんもりと咲き、秋にはコスモスにトンボがとまる、そんな絵葉書のような情緒あふれる北秋田市合川地区。秋田内陸線縦貫鉄道の無人駅「大野台駅」から徒歩5分の場所に、毎年夏になると行列のできるトウモロコシの販売所があります。

山田市右エ門さんの作る、通称「やまだのきみ」。地元合川での対面販売に精を出しつつ、東京ビッグサイトにも5回ほど出店。今では全国にその名前が広がっています。

そんなやまだ農園で、糖度の高いトウモロコシを生産・販売する後継者を募集しています。

東北地方ではトウモロコシを「きみ」と呼ぶ

勤務していた福祉施設を58歳で退職してトウモロコシ農家を始め、農業を本格的に始めて14年。母親が養豚業をやっていたこともトウモロコシの生産に本腰を入れるきっかけになりました。

「当時、テレビ番組で、合川の町歩きみたいな企画をやっていて。その時たまたまうちのトウモロコシを食べたタレントさんが、『おいしい!』って言ったのをきっかけに、メディアがやってくるようになったんですよ」と山田さん。

それから年々お客様が増え、どんどん売れるようになったことでお客様の期待に答えるため、また、いずれ自分が引退した後もトウモロコシの味を継いでもらいたいという思いから後継者を募集することにしました。

自然との対話が一級品を作る

今でこそ「行列のできる“やまだのきみ”」ですが、高い糖度を保ち、常に売れ続けるトウモロコシを生産するには、さまざまな自然との闘いと、幾多の失敗もありました。

「冷害など自然の被害がいちばん大変ですね。でも、言い換えれば被害にあうことは学びになります。そのたびに、どうしたらもっと良い商品が作れるか、考えるようになるから」山田さんは、同じトウモロコシでも、暑さに強いものと、寒さに強いものの両方を作り、生産量を落とさないようにしていると言います。

まだ小さなトウモロコシの苗

「天候ばかりはこちらが決められません。だから、こっちがだめならこっちで収益を上げる、というやり方をしています。トウモロコシだけではなく、スナップエンドウや漬けナス、リンゴなど、他の野菜作りも同時に行っていますよ」

冬季も収入を得られるように始めた「いぶりがっこ(秋田県の名産品。大根をいぶって乾燥させ調味料で漬けた漬物)」は、砂糖ではなく自家製のリンゴや柿などでさっぱりとした甘みを出し、無添加・無着色を徹底するなど、こだわりをもって作っています。そうした創意工夫によって、漬けナスは種苗交換会で第3位を、レトルトのトウモロコシは知事賞を受賞しました。

7月、販売所の通りには登り旗が立つ。県内外から訪れるファンの目印

心に残り、また食べたいと思ってもらうために

 「おいしいものを食べると、人は笑顔になるでしょ。トウモロコシは時期が決まっています。だからこそ、夏になればまた思い出してもらえるように、心に残るおいしいものを毎年コンスタントに作り続けることをいちばん大事にしています」

そのために、農機具の調整や改善なども自分でやっているという山田さん。自分の畑の状態に合った作り方のため試行錯誤を怠りません。収穫したトウモロコシを食べて、『またおいしく育ってくれたな』と思う時が、いちばんのやりがいと、幸福を感じる時だといいます。

7月も下旬を迎えると、小さな販売所には県内外からのお客様が列をなし、親せきや友人に送るからと、一人で40本、50本と購入していく人もいるのだそう。また、生まれ育った合川町に賑わいを生み出したいと、あくまでも販売所で売ることにこだわります。

販売所は市道を挟んで畑に囲まれている。周囲に目立った建物はないが、シーズンになるとそこだけが大賑わいを見せる

「朝、収穫したトウモロコシが、午前中には売り切れてしまう。そうなると買えない人も出てきて、せっかく来てくれたのに申し訳ないなと。2ヶ所あれば、買いそびれないでしょう。だから、この合川で作って、売っているんです。この地域に人が集まって、町が賑やかになるように」

人の役に立ちたい、恩返しがしたいという気持ちを、山田さんは常に持っています。

販売所の中。採れたての“きみ”を箱買いするお客が多いため、午前中には品切れ状態に

失敗から学び、挑戦する姿勢が大切

やまだ農園の畑はおよそ3ヘクタール。福祉施設が管理する畑を月2万円で借りて、作物を作っています。「畑はいくらでもあるし、技術も教えることができます。でも、失敗したときにどうしたら解決できるかを、考えられる人に継いでほしいですね。私もたくさん失敗してきましたが、野菜を植える場所一つとっても、気づきや発見を得てきました。やる気があることがいちばん大切。興味があれば、ぜひ門を叩いてほしいです」

承継する際は、山田さんの畑で生産するのではなく、福祉施設の畑を借りて、生産ノウハウを学んでいただきます。雇用関係は結びませんが、別の仕事で生活基盤を整えながら農業を学ぶことを想定しています。“やまだのきみ”という屋号の承継には特にこだわりませんが、ここ、合川町で作って売ってほしいというのが、山田さんの強い希望です。

「頑張れば1年でトウモロコシ作りは覚えられます。まずは体験に来てみてください」と山田さん。ノウハウを教わりながら、澄んだ空気と豊かな自然環境に恵まれた北秋田市合川町で、自分が作ったトウモロコシに行列ができる光景を見てみませんか。

この向かい側にも畑が広がっている。広々とした空の下、「おいしい」に欠かせない土づくりがここから始まる

募集要項

事業者名

やまだ農園

所在地

秋田県北秋田市上杉字金沢76-3

事業内容

 

トウモロコシおよび野菜の生産・販売

継いでほしいもの

 

トウモロコシの生産ノウハウ

継いでほしいひと

・やる気をもって取り組めるひと

 

・北秋田市合川地区でトウモロコシを生産・販売する意欲のあるひと

継業までの流れ

①オンライン面談

②現地面談・体験

③移住するタイミングに合わせて北秋田市の就農者向け支援制度の確認・検討

④現地にて研修

⑤継業

 

注意事項
  • 事業者様への直接のご連絡、ご訪問は、ご迷惑となりますのでご遠慮ください。ご応募、お問い合わせは、記事下の「お問い合わせはコチラ」からご連絡ください。
  • 継業バンクの利用料は無料です。成約報酬等も必要ありません。
  • 不動産賃貸契約に関わる費用や許認可の申請に必要な経費はご負担ください。

その他の継業情報