
初期投資不要で始められる菌床キノコ栽培事業
石川県小松市の里山で、菌床シイタケをはじめとするキノコの栽培事業の承継者を募集します。
有限会社北陸調製土は産業廃棄物処分業の仕事を手掛けてきましたが、自身の体力面の心配を理由に2023年頃に事業転換を決意。所有している土地や建物を有効活用する道を模索する中で、近隣のキノコ菌床製造会社から製造過程で排出する廃菌床を活用した発酵菌床を作り始めました。

その後、知人の勧めもありキノコ栽培にも着手。1年間かけて試験栽培を実施し、技術の確立と生産体制の整備に努めてきました。この1年間でキノコ栽培の販売実績はありませんが、2025年からの本格始動に向けて準備は整っている状況です。
新規就農で必要となる初期投資が発生せず、現代表から技術も教授できるため、すぐにキノコ栽培事業をスタートできる貴重な機会です。
充実の施設設備と年間を通じた安定生産
同社の生産拠点は、90坪の木造建物とテント倉庫の2棟体制で運営されており、年間2,500~3,500個の菌床を設置できる十分な生産能力を有しています。


栽培については、春と秋にはシイタケ、夏場はキクラゲ、冬季にはヒラタケを栽培できる環境が整っており、年間を通じた安定生産を実現しています。
施設内では自然栽培方式を採用しており、空調栽培とは異なる季節の移ろいに寄り合った栽培を行っています。
将来的に空調設備を導入することで、さらなる増産も可能だと池田さんは話します。
また、使用済みの菌床は、もみ殻を20%混ぜ合わせて資材をシートで覆い60-70度で発酵させることで高品質な発酵菌床として再生させます。混ぜ合わせをするためのフォークリフトなどの必要機材も完備されており、発酵菌床製造のための専用スペースも確保されています。

品質面での確かな手応えと事業拡大の可能性
2024年は試験栽培に注力してきたため、現時点では本格的な販売実績はありません。しかし、試験栽培で生産したキノコは試食された方々からは好評であり、品質面での手応えを感じています。

収穫に関して、春季・秋季はシイタケ、夏季はキクラゲ、冬季はヒラタケを栽培し通年販売が可能です。
販路については、近隣の販売協力業者との連携や直売所での販売を計画していました。堆肥に関しても、地元の農家さんから高い評価を得ており、キノコ栽培と合わせて一定の収益が見込めるところまで事業開発が進んでいます。
現在の生産規模は池田さんが無理なく運営できる規模に抑えていますが、意欲のある方であれば事業拡大の余地も十分にある状況です。
生き物と向き合う喜びを実感できる仕事
本格稼働に向けてスタートを切ろうというところですが、池田さんは、高齢であることから長期的な事業継続について不安を感じています。
一方で、キノコ栽培事業には可能性を見出しているため、事業を引継ぎ推進してくれる方に譲りたいと考えています。
事業承継にあたって、事業が軌道にのるまでの一定期間については、土地施設の利用は無料。池田さんによる技術指導を行うなど、収益が出ていない現状を考慮し、事業が安定するまでは承継者の負担を最小限に抑える形での支援を検討しています。

「キノコは生き物。気持ちをちゃんと与えてやらないといいものはできない」と話す池田さん。
自らの手でキノコが成長していく姿や変化を日々見守ることができるという、この仕事の魅力に共感してくれる担い手を求めています。