新潟県津南町で創業28年、地域の食事を支え続けてきた「ファミリーレストランムルソー」。看板メニューのハンバーグステーキをはじめとした洋食の数々で、気取らずに美味しい食事を楽しめる洋食店が、後継者を募集することになりました。
1997年、京都で本格的な洋食を学んだオーナーシェフの涌井さんが、故郷・津南町で自分の夢であった洋食店をオープン。一人で切り盛りしながら、地域に寄り添った料理を提供し続けてきました。開業以来変わらない「手作り」へのこだわり。変わらぬ味と丁寧な仕事で地域の外食ニーズに応えてきました。
涌井さんが後継者を考えるようになった背景には、農業との両立という課題があります。 涌井さんは田んぼを所有し、自家栽培したお米を農協に卸している兼業農家です。天候によって田んぼに足を運んだりと、営業も左右される「日々、営業できるかよめない」という状況は、お客様への責任という観点から、大きな課題となっていました。農業が忙しくなるにつれて営業日もまばらになってしまい、誰かにこのお店を託せないかと考えるようになりました。
洋食一筋、一皿に込めるこだわり
ファミリーレストランムルソーのこだわり料理は、自家栽培のお米と妻有ポークを使ったハンバーグステーキです。 一般的なオーブン仕上げではなく、独自の火入れ方法で、表面は香ばしく、中はふっくらジューシー。焼き油を使いながら、肉汁を閉じ込める技術は、長年の経験から編み出された職人技。 「この方法で作る方が断然美味しい」という涌井さんの言葉には、妥協しない職人としての誇りが感じられます。
宴会メニューでは、その日の仕入れに応じて、アサリのバター焼きやオムレツなど、お客様の要望に柔軟に応えたお料理も提供してきました。他にもオードブルやテイクアウトのお弁当の提供も行っています。
地域の人たちが繋がる憩いの場
店内は、カウンター席やテーブル席を備え、1人でも気軽に過ごせる落ち着いたアットホームな空間になっています。夜には常連客とライブや楽器を演奏するイベントも開催していました。
ムルソーには、長年地域の人々とともに歩んできた証ともいえる「ムルソー会」というコミュニティがあります。これは、お店を中心に集まる常連客によって結成された親睦会で、創業から数年後にスタートし、現在も活動を続けています。
ムルソー会の活動は多岐にわたります。年に数回、忘年会や食事会、時には旅行なども企画し、地域の人々が集う交流の場として役割も担ってきました。涌井さん自身も「お店を通じて人と人を繋げる場を提供できることが嬉しかった」と語ります。
このコミュニティを、新しいオーナーにも引き継いでいきたいと考えています。「ムルソー会があることで、お店と地域の絆をさらに深めることができるはず」と涌井さんは話します。
子どもも大人も楽しめる洋食店を残したい
ムルソーは商店街の近くという好立地にありながら、周辺には本格的な洋食店が少なく、独自のポジションを確立しています。
涌井さんは、「ムルソー」をただの飲食店としてではなく、「地域の人たちが集まり、楽しめる場所」として育ててきました。洋食という親しみやすいジャンルの料理を通じて、日々の生活にちょっとした彩りを加えたいという願いが込められています。
「洋食は特別な日だけでなく、日常の中にも溶け込む料理」と涌井さんは話します。家庭的な味わいでありながらも、子どもから大人まで楽しめるハンバーグやステーキなどの様々なメニューと、プロの技術が光る洋食にはお客様を笑顔にする力があります。
涌井さんは、新しい後継者が調理経験のない方であっても、長年培ってきた味やノウハウを、しっかりと引き継ぐ技術指導も可能です。夫婦やパートナーでの経営や、複数名でのスタートも歓迎です。店舗は月額賃料6万円(家賃、設備費、水道費込み)での賃貸となり、充実した厨房設備一式も譲渡可能です。
地域の人々の大切な食の場所として、洋食店「ファミリーレストランムルソー」の新たな章を一緒に紡いでみませんか。