津軽富士・岩木山麓にあるこだわりのパン工房。石窯のあるログハウスとパン作りの後継者を募集 | ニホン継業バンク
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2023.11.27

津軽富士・岩木山麓にあるこだわりのパン工房。石窯のあるログハウスとパン作りの後継者を募集

事業譲渡

夫婦2人で20年以上続けた健康を意識したパン屋

青森県で標高が最も高い津軽富士「岩木山」。その麓にある「森の中のパン屋 野風(やふう)パン」は、カナダの職人が作ったログハウスに薪を使って石窯で焼く、まさに自然の恵みを形にしたようなパンを提供するお店です。周辺には岩木山神社やキャンプ場、スキー場などがあり、通年で観光客が訪れます。

ログハウスの店舗、2階は住居スペース

「野風パン」は弘前出身で大阪からUターンした板垣孝尚さんが、2000年に開業しました。定年後に移り住むために建てたログハウスをパン工房として改修。他店にはできない本格的な設備を取り入れたいと思い、ヨーロッパで食べ歩いたパン工房が石窯で焼いていたことをヒントに、石窯を設置しました。

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店主の板垣孝尚さん

大阪ではCADの導入サポートといったパンとは無縁の仕事をしていた板垣さん。30代で体調を壊し、入院。医者から「このままでは死ぬ」とまで宣告されたことをきっかけに、食事や自身の健康に気を遣うことになったと振り返ります。

パン作りは、入院中に知り合った妻・清美さんと一緒に始めました。天然酵母を使ったパンを焼く教室に通い、そこで学んだ知識を活かし、地元弘前での開業を決めました。石窯を使い、天然酵母を焼き上げるハード系の食事パン。板垣さんのつくるパンは合成保存料や酸化防止剤などの添加物を使わず、オーガニックの材料を使ったパンで、瞬間冷凍した状態での販売をメインとしています。

天然酵母と添加剤不使用にこだわったハード系の食事パン(写真提供:野風パン)

承継は施設や機材だけでなく、パン作りの技術や経験も

板垣さんは現在76歳。継業を考え始めたのは、70歳を過ぎたころから。しかし、何から手を付けていいのか分からず、時間だけが過ぎていました。そんな中、新型コロナウイルスの感染拡大によって、銀行からの融資や行政の支援といった話をもらう機会が増え、事業承継の話も聞く機会があったそうです。

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「野風パン」の店内

「急いで誰かに決めるのではなく、じっくりお話をして、いい人がいればその人に譲りたい。酵母は建物などに棲み着くと言われ、このログハウスにも多くの菌が自生しています。コンクリートではなく、木を使ったログハウスだからこそパン作りには適している建物。この場所で健康を意識したパンを作ってくれる人が理想です」

開業当初は酵母が働かず、苦労の連続だったそうです。冬になれば氷点下以下になる寒さにも悩まされ、開業から半年くらいは目指すパンは作れませんでした。諦めることも考えなければいけないと感じ始めた頃にパン作りがようやく軌道に乗り始めました。酒蔵やみそ作りの菌と同じで、同じところで作り続けることで菌が積み重なっていくようです。

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パンを焼く石窯

「電気の発酵機やガスを使ったオーブンなどの機械で焼くパンでもいいのですが、自分がやりたいパン作りではなかった。石窯で焼くパンは香りがよく、表面がカリッと仕上がる焼き具合は石窯でしか表現できないため、石窯にこだわりました」

野風パンの設備でパン作りを学びたいという人もおり、板垣さんは教室などを開くこともあると言います。最近ではパン作りを学びたいと、板垣さんのもとに訪れた日本在住のドイツ人がいたそうで、独立できるようになるための知識や技術を半年かけて教えました。

販路や自然酵母パンの売り方

「野風パン」の販路は現在、県内外で行われる催事販売がメイン。大阪や名古屋でも販売した経験があります。店舗販売のほとんどは常連客で、ネット注文が多いわけではありません。販売方法を改善できれば、ビジネスチャンスはまだ広げられる可能性は十分にあります。その一つに「野風パン」では冷凍販売に力を入れています。

「当店は石窯で焼いた熱々のパンをマイナス40度で瞬間冷凍できる冷凍庫を持っています。冷凍することで長期保存ができるため、廃棄ロスをへらすことにもつながります。焼きたての状態を維持できるので品質の劣化がほとんどなく、むしろ風味がよくなるといったこともあります」

冷凍ストッカーは5台用意しており、保守やメンテナンス面でも業者をそのまま承継することができます。板垣さんによると、店内や工房のレイアウト変更は必要になるかもしれないが、設備はそのまま使うことができるためパン店を始めるならすぐに始めることができるのではとのことです。

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調理スペース

事情に合わせた柔軟な事業承継を考える

食べる人の健康を考えたパン作りをしてくれることを優先し、承継は柔軟に考えていきたいと板垣さん。背景には自身の経験と安心したものを届けたいという思いがあります。土地やログハウス、設備も含めた譲渡が希望ですが、賃貸での承継も相談可能です。また、「野風パン」という屋号に関してもこだわらないとのこと。譲り受けてくれる人の事情に合わせたいということです。

木製のテーブルに座っている男性

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今年で76歳となった板垣さん

20年以上パン作りを続けてきた「野風パン」のログハウスにはしっかりと酵母が棲み着いており、石窯によるパン作りが確立されています。板垣さんは急いで決める必要はなく、時間をかけて話し合い、適切に続けてもらえるような形で譲渡したいと言います。

パン作りを考えている人はもちろん、食の健康を考えている人からのご応募をお待ちしています。

雄大な岩木山

譲渡概要

事業者名

森の中のパン屋 野風パン

所在地

青森県弘前市百沢東岩木山1205−2

業務内容

石窯焼、天然酵母のハード系パンの製造、販売

譲渡する資産
  • 土地建物
  • 設備一式
  • パンの製造方法(希望があれば)
  • 屋号(希望があれば)
譲渡額

3,500万円

※賃貸を希望の場合は応相談

注意事項
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