趣味が高じて始めた薪ストーブは日本全国へ。自然エネルギーや里山への想いに共感してくれる後継ぎを募集 | ニホン継業バンク
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2022.11.08

趣味が高じて始めた薪ストーブは日本全国へ。自然エネルギーや里山への想いに共感してくれる後継ぎを募集

後継ぎ募集

〈2024年1月12日 内容を更新しました〉

織物事業をしながら、試行錯誤のうえに薪ストーブを開発

京都府北部の丹後半島内陸部に位置する、京丹後市弥栄町(やさかちょう)。標高500m前後の山が連なり、夏の気温は高く、冬は降雪量が多い日本海気候に属しています。京丹後市は、「丹後ちりめん」に代表される織物産業や、機械金属工業の集積地でもあります。

そんな自然豊かでものづくりの風土を育んできたこの地で、薪ストーブの製作から販売までを一人で手がける職人がいます。

「丹後ロケットストーブ」という名前の薪ストーブをつくる宇野勝さんは、京丹後生まれ、京丹後育ち。長年丹後ちりめんの事業に従事されていらっしゃいました。

ロケットストーブをつくる宇野勝さん。現在79歳

宇野さんがロケットストーブの存在を知ったのは、2011年の東日本大震災がきっかけでした。駆けつけたボランティアの方がペール缶薪スト-ブを持ち込んで現地の人々の暮らしを助けたというニュースを見たそうです。

「幼い頃はボーイスカウトに所属し、外遊びが好きだったこともあり、もともと自然が好きでしたが、東日本大震災を受けて関心が一層強くなりました。化石燃料に頼らずに間伐材や竹、廃材を使い、強力な火力を生み出すロケットストーブに可能性を感じたのです」

化石燃料に頼らないことはもちろん、持ち運びが容易で燃焼効率の良いロケットストーブに魅了された宇野さんは、織物事業を続けながら、趣味の延長としてストーブをつくり始めたそうです。つくり始めた当初は上手くいかないこともありましたが、試行錯誤を重ねて納得できる商品を開発。2013年から知人らに販売したところ、口コミで広まっていきました。

注文が絶えず入ってくるようになったことで、織物事業とロケットストーブ製作の両方を続けていくことは難しくなりました。そこで、2018年にロケットストーブ製作販売を専業として事業を開始しました。

織物工房だった場所をロケットストーブ工房に改造し、自ら製作を行っている

薪ストーブで自然なエネルギーを誰でも簡単に使えるように

かぐつち2号
かぐつち3号

宇野さんの作るロケットストーブは「かぐつち2号」と「かぐつち3号」の2種類。従来の薪ストーブの半分以下の薪の量で燃焼効率は業界トップクラスを誇ります。

2号は2枚の天板を活かして2か所で調理ができます。3号はスペースの少ない場所でも置くことができるよう、暖房効果を落とさずに2号の半分の面積で設置できます。2号、3号ともに放熱面積が広く設計されており、煙突火災のリスクが低いことも特徴のひとつです。

詳しい商品情報についてはYouTubeをご覧ください

家に薪ストーブを設置する場合、商品代金と工事費で100万円以上が必要です。それに違和感を持った宇野さんは、「誰でも簡単に設置できるものをつくりたい」という気持ちで、従来の4分の1の価格で設置できる薪ストーブを開発しました。

「煙突工事を除けば、女性でも簡単に組み立てることができます。煙突は屋根抜きだけでなく横引きも可能です。煙突用の穴は必要になりますが、煙突はホームセンターでも購入可能なシングル煙突で据え付けが可能です」

宇野さんのこだわりが細部まで詰まったロケットストーブは多くの方に支持され、今では47都道府県に販売実績があります。できる限り直接お礼を伝えたいからと、宇野さんが行ける範囲は、自家用車で配達に伺うこともあります。

「お客様の多くは、都会から地方に移住した方です。薪ストーブを通じて『どこで買ったの?』という会話が生まれ、地域の人とも仲良くなるきっかけになっているそうですよ」と笑顔でお話する宇野さん。

宇野さんの工房。材料は京丹後市内の鉄工所から仕入れている

移住してくれる後継者を求める理由

実は「塾生」として宇野さんの元で学び、ロケットストーブ「かぐつち」を公認で作っている人は全国に3名いらっしゃいます。宇野さんの製作技術の承継は行われているように思えますが、今回後継者を募集する理由についてこう話します。

「塾生のみなさんは副業としてやられています。もちろんそれも嬉しいのですが、京丹後市に移住して、地域を盛り上げてくれる後継者に継いでいただきたいのです。京丹後市は人口がだんだん減っているので、できれば家族で移住してくださると地域の活性化にもつながると思います」

後継者を募集するに当たり、まずは1週間のインターンシップを通して仕事の内容を知ってもらいます。待遇面でも合意し、後継者になりたい方がいた場合は、宇野さんが引退するまでの数年間はアルバイトとして従事していただきます。承継が決まれば、取引先の紹介も可能とのことです。

1年間のうち、9月から4月頃までが繁忙期です。この期間以外は薪ストーブの製作以外にも取り組むことが可能です。工房のスペースに余裕があるので、新たな製品の開発に挑戦することも可能ですし、農業などものづくり以外の事業に京丹後市で挑戦することもできます。取り組む内容次第では、宇野さんが相談に乗ってくれるそうです。

稼ぎたいという気持ちだけでは任せられない

70歳を過ぎてロケットストーブの製作をはじめ、事業を開始された宇野さん。年齢を感じさせないほどの力強さは、つねに挑戦を続けているからかもしれません。

1年のうち、9月から4月頃までの半年間が繁忙期で、毎年約80〜100台を販売しています。今は一人で活動しているためこれが限度ですが、従業員を雇う、繁忙期を迎える前に在庫を作る、営業・販売を強化するなどすれば、さらに販売数を拡大することもできるだろうと話します。

「収入面だけでやりたいと思うなら、それでは後継者は務まらないと思います。ものづくりが好きで、自然エネルギーに関心があり、里山を守りたいという気持ちが何よりも大切です。インターンシップ期間でお互いのこと知ってから、承継に向けて進めていきたいです」

試行錯誤を重ねたロケットストーブ「かぐつち」は、全国各地で冬の生活を支えています。里山への尊敬、積み重ねてきたお客様との信頼関係を大切にし、ロケットストーブの製作技術だけではなく、宇野さんの想いも一緒に受け継ぎたいと感じた方は、まずはインターンシップに訪れてみてはいかがでしょうか。

募集要項

事業者名

丹後ロケットストーブ株式会社

所在地

京都府京丹後市弥栄町鳥取2334

事業内容

薪ストーブの製造・販売・アフターフォロー

ホームページ

http://kagututi.jp/

継いでほしいひと

・概ね20〜40代のかた(できれば家族連れが好ましい)

・京丹後に移住してくれるひと

・向上心があり、自ら学ぶ姿勢を持ったひと

・自然エネルギーや里山維持に興味関心があるひと

・ものづくりが好きな人、興味・関心があるひと

 ※歓迎要件:溶接、草刈り機、チェーンソー、刃物を研ぐ経験

継業までの流れ

①継業バンク経由でお問い合わせください

②応募(履歴書、職務経歴書の提出をお願いします)

③書類選考

④オンライン面談

⑤現地での面談、施設見学/説明

⑥インターンシップ:1週間(8時間/日を想定 ※日時は相談可能)

インターンシップの受け入れは、繁忙期以外の4月〜9月の間を予定。付きっきりで丁寧に指導できるためです。

⑦スタッフとして技術を承継:1〜2年間

(繁忙期はアルバイトとしての雇用を予定※給与や待遇は応相談)

⑧事業譲渡(取引先の紹介も可能です)

その他の継業情報