農業次世代人材投資事業を活用して、晴れの国・岡山でトマト農園を継業しよう | ニホン継業バンク
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2022.05.11

農業次世代人材投資事業を活用して、晴れの国・岡山でトマト農園を継業しよう

後継ぎ募集

就農できるように、譲る側が整える

瀬戸内トマトファームの浦田さんは、先輩就農者であり、先輩移住者でもある

農業に適した温暖な気候の岡山県瀬戸内市の沿岸部、尻海(しりみ)では、稲作や白菜、キャベツなどの重量野菜の栽培が盛んです。そんな尻海の瀬戸内海を一望できる丘の上で、ミニトマトの栽培を行う瀬戸内トマトファームの浦田知明さんは、国の就農支援制度である「農業次世代人材投資事業」を活用して、栽培技術と農園施設を継いでくれる人を募集します。

農業次世代人材投資事業とは、就農を希望する人を支援する事業で、研修の受け入れと、就農・独立して収入が安定するまでの補助をしてくれる制度です。

商社マンから39歳で新規就農したという浦田さん自身も、「農業次世代人材投資事業(旧青年就農給付金)」を利用し、兵庫県の有機農家で2年間の研修期間を経て、「自分に合っている」と感じたトマト栽培のできる農地を探して、岡山へやってきました。

晴れの国の陽光を受けて育った瀬戸内トマトファームのミニトマト

岡山の研修先で「ロックウール栽培」と呼ばれる栽培方式を知り、自身も同じ栽培での独立をしたいと考えましたが、設備を新設する土地を貸してもらうことができませんでした。しかし、“たまたま”同じ栽培設備を引き継ぐことができ、念願のトマト農家になることができました。

「トマト農家になれるかどうかは、施設があるかないかが重要」と浦田さんは話します。

就農には、技術の習得や農地の取得、独立のための資金など、ハードルは決して低くありません。会社勤めから農家に転身した自身の経験から、その大変さをよくわかっている浦田さんは、次の人にも同じようなサポートをしたいと継業の準備をしました。

24時間自動で管理できる「ロックウール栽培」

圃場に敷かれたロックウールにトマトの苗を植える

瀬戸内トマトファームでは、ガラス窓のハウスと合わせて、オランダで開発された栽培施設を使用しています。先代から譲ってもらった施設ですが、「あと20年くらいは問題なく使用できる」と浦田さんはいいます。

「ロックウール」とは、鉱物から人工的に作られた繊維のこと。土を使わないロックウール栽培は、その上にチューブを這わせ、化学肥料を溶いだ水をポンプで流しながら育てます。給水や肥料の濃度を設定すれば、24時間、太陽以外は自動で管理することができるとのこと。

瀬戸内トマトファームは、1,200㎡の圃場で、栽培〜収穫のサイクルを年2回、2,500株を育てています。

ガラス窓のハウス

先輩から学び、儲かる農家になる

圃場には2,500株のミニトマトが植えられている

「正直、収入、体力、精神的に順調なんです」と言う浦田さん。

なぜ「順調」なトマト農園を譲ろうと思ったのかたずねると、「新しいことに挑戦します」とニヤリ。何やら新しい企みがあるようです。

収入は約500万円が安定的に得られるのだそうです。

年間売上約750万円から土地代、収穫時のアルバイトの人件費、肥料や苗台など栽培原価約250万円を差し引いた残りが、収入になります。

国の補助制度が利用でき、施設も譲ってもらえるとなると、とても「おいしい話」に聞こえますが、課題や苦労はないのでしょうか。

すると浦田さんは、「夏の暑さ」をあげました。

「温暖化の影響からか、夏が年々暑くなっています。夏場のハウス内の作業はかなりキツいし、いずれは栽培スケジュールを変える必要があるかもしれない」と、環境への危惧を口にしました。

「農業次世代人材投資事業の受け入れ農家になったり、栽培設備を譲渡したり、条件は整えることができましたが、独立資金と覚悟は必要ですよ」と、先輩就農者・移住者としての厳しい顔ものぞかせます。

浦田さん自身も独立資金として500万円を貯めてから研修を受けたといいます。国の補助があり、継業後はすぐ収入が見込めるとは言え、研修中の生活費や設備を譲り受けるための資金は必要ですので、しっかりと計画を立てる必要があります。

「お互い人間なので、意見の相違はあるものですが、2年間は勉強するという姿勢が大事だと思います。あと家族への配慮もね」

やさしくも厳しくもある浦田先輩に学び、トマト農園を引き継ぎたいという方からのご応募をお待ちしています。

農園から望む瀬戸内海

募集要項

事業者名

瀬戸内トマトファーム

事業内容

ミニトマトのハウス栽培(ロックウール栽培)

所在地

岡山県瀬戸内市邑久町尻海5278

HP

瀬戸内トマトファームFACEBOOK

譲渡する資産

栽培設備一式

譲渡条件

設備譲渡費用:3,500,000円

設備解体費預り金:1,500,000円(廃業した場合の施設解体費の預り金。自身で解体をした場合は返金)

土地賃借料:100,000円/年

対象者

農業次世代人材投資事業を利用される方

 

交付対象者の主な要件(すべて満たす必要があります)

  1. 就農予定時の年齢が、原則49歳以下であり、次世代を担う農業者となることについての強い意欲を有していること
  2. 独立・自営就農または雇用就農を目指すこと
    親元就農を目指す者については、研修終了後5年以内に経営を継承する、農業法人の共同経営者になる又は独立・自営就農すること
  3. 都道府県等が認めた研修機関等で概ね1年以上(1年につき概ね1,200時間以上)研修すること
  4. 常勤の雇用契約を締結していないこと
  5. 生活保護、求職者支援制度など、生活費を支給する国の他の事業と重複受給でないこと
  6. 原則として前年の世帯(親子及び配偶者の範囲)所得が600万円以下であること
  7. 研修中の怪我等に備えて傷害保険に加入すること

(注)以下の場合は返還の対象となります

  1. 適切な研修を行っていない場合
    交付主体が、研修計画に則して必要な技能を習得することができないと判断した場合
  2. 研修終了後
    1年以内に原則49歳以下で独立・自営就農又は雇用就農しなかった場合
    準備型の交付を受けた研修の終了後、更に研修を続ける場合(原則2年以内で準備型の対象となる研修に準ずるもの)は、その研修終了後
  3. 交付期間の1.5倍(最低2年間)の期間、独立・自営就農又は雇用就農を継続しない場合
  4. 親元就農者について、就農後5年以内に経営継承しなかった場合、農業法人の共同経営者にならなかった場合又は独立・自営就農しなかった場合
  5. 独立・自営就農者又は親元就農者で5年以内に独立・自営就農する者について、就農後5年以内に認定農業者又は認定新規就農者にならなかった場合

(注1)交付対象者の特例
国内での2年の研修に加え、将来の農業経営ビジョンとの関連性が認められて、海外研修を行う場合は交付期間を1年延長する

スケジュール

①浦田さんとオンライン面談

②岡山県農業次世代人材投資事業担当者を紹介

③体験研修申し込み

④岡山県農業次世代人材投資事業担当者と面談(1回)

(⑤移住が伴う場合は、住居探し。浦田さんからの紹介可)

⑥体験研修 1ヶ月(100時間)

⑦県の担当者と面談 本研修への意思確認

本研修 2年間(年間1200時間)

 研修中は1,500,000円/年を補助

⑨継業(独立)

 1-3年目 1,500,000円/年

 4-5年目 1,200,000円/年 を補助

 ※独立後3年以上営農をしなかった場合は返金

その他

農業次世代人材投資事業

その他の継業情報