岡山を代表する魚「ままかり」の新しい可能性を探すためにはじまった「ままかRe:Project」。「ままかり」のリデザインを通して、地域の可能性を提案したいというのがプロジェクトの原点です。
ままかりは、ニシン科のサッパと呼ばれる小魚です。「まんま(ご飯)を借りに行くほどおいしい」というのが、呼び名の由来と言われる岡山の郷土料理で、酢漬けなどにして食べられるのが一般的です。瀬戸内市は、レモン、オリーブ、マッシュルームなど、イタリア料理に適した食材が豊富なまちです。地域の食材と一緒に、ままかりも今日の食卓で楽しんでもらおうとイタリアの調味料「アンチョビ」風にアレンジした商品「ままチョビ」からプロジェクトははじまりました。
その後、バーニャカウダ風のソース、地元産のマッシュルームとのソースなど、4種類の商品を発売。デザイン性の高さと、キャッチーなネイミング、地方創生の追い風もあり、メディアでも多く取り上げられたこともあり、岡山駅や岡山空港、地元百貨店、東京のアンテナショップなどで、新しい岡山のお土産物として人気になりました。
地域にこだわった挑戦と課題
製造拠点は、過疎化が進む海沿いの集落で10年間利用されていなかった遊休施設を活用し、地元の女性がひとつひとつ手作業で加工。ままかりは地元漁協や漁師さんから直接仕入れ、人手も材料もできるだけ地産にこだわりました。
しかし、地元産にこだわるがあまり、ままかりの仕入れは不安定、手作業のため製造効率が悪く、「需要があるのに製造量が足りない」という状態に。営業をしていない(できない)状況であるにもかかわらず、問い合わせは後を絶ちません。
六次産業化で原材料の価格を下げたり、機械化で製造効率をあげるなど、改善の余地は十分あるため、製造面の課題を解決し、持続可能な地域の仕事にできるひとに事業を託したいと考え、引き継ぎ手を探しています。
可能性をつなぎたい
製造拠点は、地元の方に譲渡済み。いまは地域の食堂として営業しています。
今回の譲渡の対象となるのは、名称・パッケージなどのデザインと、製造方法、仕入れ先と販路など。製法や設備に関する相談、OEM先を探す場合もサポートし、概ね1年は代表の浅井が伴走します。
手探りで地域の可能性を見つけるためにはじまった「ままかRe:Project」は、「地域のもの」として育て、根付かせてくれる新しい担い手を探しています。
※本事業は、2020年4月1日付で、株式会社オールブルーに事業譲渡されました。