地域を支える名物店が突然の廃業
青森市後潟で長年親しまれてきた名物店「かなやマート」が、新たなオーナーを募集しています。
スーパーマーケットとして40年以上前に開業したかなやマートは、長年地域の生活を支えてきました。また、5年ほど前からは食堂も開店。リーズナブルでボリュームのある海鮮丼などがSNSで話題となり「美味しい魚が食べられる店」として、地元客はもちろん、県外から足を運ぶファンや観光客も多く訪れていましたが、令和5年12月に金谷オーナーの体調不良を理由に惜しまれながら閉店しました。
地域に根差した独自の商いがSNSで話題に
かなやマートの特徴は、食堂と小売を組み合わせた独自の商いスタイルです。地元漁師から直接仕入れた、市場では出回りにくい珍しい魚や規格外の新鮮な魚介類を市場価格より手頃な価格で提供しています。特に、その日に仕入れた新鮮な魚介類を贅沢に使った海鮮丼や刺身定食は、ボリューム満点かつリーズナブルな価格で、常連客から観光客まで幅広い支持を集め、SNSで口コミで評判になり、昼時には多くのお客様で賑わっていました。
さらに、食堂で提供した魚介類は、商店でも販売しており、例えば、食堂で食べた刺身が美味しかったので、夕食用に購入する、というような買いまわりをつくることで、食堂と小売が相乗効果を発揮し、売上を上げていました。
早朝4時からはじまる仕入れで鮮度を確保
市場価格より安価でありながら、驚くほど新鮮な魚介類を提供できる秘密は、早朝4時から始まる仕入れにあります。市場での仕入れに加え、漁師から直接仕入れる魚介類を吟味し、その日のメニューを決定。仕入れた魚介類は朝一番で仕込みを行い、最高の鮮度を保っています。
「魚を美味しく食べてもらいたい」という想いから、魚のさばき方や味付けにも独自のこだわりがあり、その技術は代々受け継がれてきました。金谷オーナーは「レシピも後継者に教えたい」と語っています。
かなやマートの事業基盤をまるごと承継
繁盛店であったかなやマートの閉店を惜しみ、その再開を望む人が多いことは想像にかたくありません。金谷オーナーも再開してくれる人がいれば、店舗をお貸ししたいと考えています。
また、かなやマートの事業基盤である「地元漁師からの仕入れルート」の引き継ぎも行う上、知名度の高い「かなやマート」の屋号もそのまま使ってもらって構わないとのことなので、事業承継のメリットを最大限生かすことができそうです。
長年地域に愛されてきた名物店だけに、再開時にはきっと地域内外から多くのファンが訪れるはずです。
事業基盤を引き継ぎ、かなやマートをさらに発展させてくれる意欲ある後継者からの応募をお待ちしています。