創業105年の菓子店の味を受け継ぐ後継者を募集。酪農とゆかりある北海道安平町で新たなチャレンジ | ニホン継業バンク
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2023.12.20

創業105年の菓子店の味を受け継ぐ後継者を募集。酪農とゆかりある北海道安平町で新たなチャレンジ

後継ぎ募集

羽田空港から新千歳空港まで飛行機で90分、新千歳空港から車で20分で訪れることができる北海道安平町。子育てや教育の町として力を入れており、2023年度からは、子どもたちが多種多様な価値観を学べることをテーマとした小中一貫の義務教育学校「安平町立早来学園」が開校。これからの未来を担う子どもたちがチャレンジしやすい土壌ができつつあります。

そんな新たなチャレンジが始まった安平町では、高齢化と後継者不在により事業を辞めてしまう事業者が増えつつあります。今回後継者を募集するのは、創業100年を超える和菓子店です。

創業105年の地域密着型の菓子店

大正7(1918)年に創業し、現在4代目の佐藤智栄さんが切り盛りしている「佐藤菓子舗」。店舗は合併前の旧早来町(はやきたちょう)にあり、酪農ととても縁が深い地域。なんと日本で初めてチーズ専門の工場ができた地域なのです。酪農とともに歩いてきたこのまちで、「佐藤菓子舗」は100年以上にわたって、地域のみなさまにおいしい和菓子を届けてきました。

昭和33(1958)年に2代目の岩雄さんが北海道大博覧会で金賞を受賞

商品ラインナップは、和菓子を中心に約20種類。長年愛され続けてきた和菓子の代表作は「サイロ最中」です。サイロとは米や小麦などの農作物や、家畜の飼料を蔵置・収蔵するための倉庫のことで、安平町には数年前まで、日本最古の木製サイロが現存していました。サイロ最中は酪農とともに歩んできた安平町の歴史を表しています。

また、創業時から変わらない味を守り続けている「御幸羊羹」や、薄皮に味噌をねり込んだ塩気のある甘みが昔懐かしい「みそまんじゅう」も人気があります。

サイロ最中。サイロの屋根と建物の間に切れ目があり、濃厚な甘みの粒あんと栗と黒ゴマで作った白あんがびっしり詰まっていて、2つの味が楽しめると評判(画像出典:佐藤菓子舗ホームページ)

御幸羊羹。創業当時の味を知っている地元酪農家の方からは「懐かしい」という声も。札幌や苫小牧からも買いに来られるお客さんもいるのだそう

先代から引き継いだこだわりの味

朝7時頃から仕込みを始め、午前中には当日分を仕上げるといい、売れ行きによりその日に作るお菓子の種類は異なるそうです。

「先代からの味を引き継いでいます。特にこだわっているのは『サイロ最中』の餡の練り方や、『みそまんじゅう』のみその味です。」

みそまんじゅう。薄皮に味噌をねり込んだ塩気のある甘みが昔懐かしさを感じさせる

けい子さんが佐藤菓子舗の菓子を製造するようになったのは、50年前に嫁いできてから。初めのうちは技術を身につけることに苦労したと振り返ります。

菓子店としてのやりがいを伺うと、「お客様にご来店いただき、おいしいと言ってもらえること」と話すけい子さん。昔はイベントに積極的に出店し、お客様と直接話す機会がとても楽しかったといいます。

店頭で接客をする3代目のけい子さん

味を受け継いでくれる人に託したい

創業から100年以上、事業の存続が危ぶまれた時期もありました。それは、2018年に発生した北海道胆振東部地震で店舗が全壊する被害を受けたこと。廃業を考えた時期もありましたが、まわりのお客様からのあたたかい言葉に励まされ、事業を継続することを決め、現在は仮設店舗で営業しています。

現在の佐藤菓子舗の外観

仮設店舗に形を変えることとなりましたが、100年以上にわたり地域住民やお土産として多くの人に届けてきたお菓子の味と思いは変わりません。

「レシピすべてとは言いませんので、一部だけでも佐藤菓子舗の味を引き継いでもらえたら嬉しいです。希望があればレシピはお譲りしますし、菓子製造に必要な設備も一部譲渡します」

けい子さんはご自身の年齢を考え、続けていくことは難しく、後継者に佐藤菓子舗の味を託したいと考えています。地域おこし協力隊員として菓子製造の技術をけい子さんに学びながら、安平町で長く育まれてきた味を受け継ぐ意思のある方からの応募をお待ちしています。

3代目のけい子さん

募集要項

事業者名

佐藤菓子舗

事業内容

菓子製造、販売

所在地

北海道勇払郡安平町早来大町32

ホームページ

https://satoukashiho.com/index.html

譲渡可能な資産

・レシピ

・機材

 (地域おこし協力隊の任期終了後に譲渡予定です)

・現店舗は仮設のため移転が必要。移転先は町からもご紹介します。

 

継いでほしいひと

・佐藤菓子舗のレシピを一部受け継いでくれるひと

・地域おこし協力隊の要項を満たすひと

 

対象者(地域おこし協力隊)

次の全ての要件を満たすことが必要です。

(1) 地方公務員法第16条に規定する欠格事項に該当しない方。

(2) 3大都市圏をはじめとする都市地域等(総務省が公表する特別交付税に係る地域要

件確認表において、安平町に転出した場合に特別交付税措置の対象となる地域をい

う。)から生活拠点を町内へ移し、住民票を異動させることを了承する方。

※現住所が都市地域等に該当するかどうかお調べすることも可能です。

(3) 普通自動車免許を有している方(本人が使用者である自家用車を使用する方には車

両燃料費補助制度があります)

(4) 心身ともに健康で、当該任務に対して造詣や理解がある方。また、地域の住民と調

和を図りながら活動できる方。

(5) 市町村税に滞納がない方。

※現在お住まいの市町村役場から「市町村税の滞納がない証明書」を入手し、応募用紙に

添えて提出してください。

(6) 採用決定後、概ね2か月以内に住民票を安平町内に異動し、活動を開始できる方。

(7) 土曜又は日曜(基本は土曜)に活動ができる方。

※地域おこし協力隊制度については、お問合せいただいた方に別途ご案内させていただきます。

 

継業までの流れ

①お問合せ

②安平町役場とオンライン面談

③地域おこし協力隊に応募

④選考(現地面談がある場合がございます)

⑤着任

⑥任期終了後に継業

 

活用できる制度

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