能登の里山里海を守る想いもまるごと承継
ひとつ3000円の高級しいたけの栽培技術の承継に向けた二人三脚での取り組みがはじまりました。
継ぐのは、北陸有数ペットショップチェーンを経営していたという高島さん。一次産業の経験はありませんが、経営者として豊富な経験を持っています。
「道田さんが、自分のために時間と労力を割いてくださっているので、それに応えたいです。そして世界農業遺産に選ばれている能登半島の自然を後世に残すために、やれることをやりたい」と高島さんは意気込みます。
技術を伝える継ぎ手を得た道田さんは、先人が残したしいたけづくりのノウハウを引き継いでもらえることが何よりうれしいと、その喜びを語ってくれました。
「七尾市の自然はよそに負けない底力があるし、交通インフラも競争に適しているので、高島さんの経営ノウハウや交友関係の広さを活かして事業を成功させてほしい」と後継者に大きく期待しています。
この継業をコーディネイトした七尾街づくりセンターの浜田さんもこの承継に期待を寄せています。
「能登の里山里海のポテンシャルは確かに高いと思いますが、その維持は難しく、耕作放棄地などが増えれば、その恵みは簡単に失われてしまいます。今回の継業では、里山里海を守っていきたいという想いも含めて承継していただくことができてとてもうれしく思っています」
技術とともに、地域への想いも引き継がれる道田農園のしいたけづくりがますます楽しみです。
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(募集内容はこちら)
味も価格も松茸を超える道田農園のしいたけ
豊かな自然に囲まれた環境で畑仕事をして暮らしたいと思うひとは少なくはないと思います。世界農業遺産に認定された能登の里山は、その憧れをかなえるには最適な場所のひとつです。
その世界が認めた豊かな里山で、味も価格も松茸を超えるという「のと115」という菌種の原木しいたけを栽培している道田農園では、栽培技術を学び、次世代を担ってくれる人材を募集しています。
しいたけづくりへの飽くなき挑戦
「農家はプロ野球選手と同じ。実力を認められてなんぼの世界です」そう語る道田さんは、より優れたしいたけをつくるため工夫と努力を積み重ねてきました。
例えば、しいたけを栽培する際、大半の農家は米づくりの種苗用ハウスを代用しますが、道田農園では、天窓を設置するなどの工夫を凝らした専用ハウスを使用しています。
冬季の副収入にと片手間でしいたけ栽培をはじめる農家が多い中、道田さんは原木栽培にこだわり、しいたけづくりと向き合ってきました。
「単純なものほど奥が深く、極める楽しみがある」と道田さんは言います。
販売店、お客様が、それぞれ満足する関係づくり
いいものをつくるだけで、売れるほど農業はあまくはありません。特に高級志向の高い商品の場合は、売り先の確保が必要です。そのため道田農園では独自の営業ルートをつくってきました。
また、継続的に取り扱いをしてもらうためには、自分だけではなく、販売店、お客様も満足するような関係づくりを心がけることが大切です。
道田農園では、「最上品」「優良品」「大衆品」の三段階に選別して価格を設定。それぞれを最適な販路でお客様に届けています。
これまで磨いてきた栽培技術と想いを次世代に
「本当のしいたけはこんなものではない。しいたけの可能性はまだまだある」
自然と向き合って、常に努力をする、そうやってできたものにこそ価値があると道田さんは考えています。
工業製品のように、最新の技術を取り入れ、生産性を上げるという方法もあるかもしれません。しかし、道田さんは、豊かな自然と共に生き、自然の恵みを活かした原木栽培を承継していきたいと願っています。それは道田さんの生き方そのものを受け継ぐということかもしれません。