〈2024年12月2日 追記しました〉
2024年12月から、津南町の「喰い処 味郷」の後継者として、阿部 康一さんがお店を受け継ぎ営業を開始しています。
阿部さんは隣町の出身で高校卒業後、大阪の調理師専門学校で和食を学び、大阪で長年和食料理を修行してきましたが、子共の成長を機に帰郷。
「自分のお店を持ちたいと考えていた矢先でした。地域に根差したお店を残せることは私としても嬉しいことです。屋号もメニューもそのまま引き継ぎ、こだわりでもある妻有パークを使ったトンカツ料理も変わらず提供していきます。今後検討しているのが、このお店で男性を対象に簡単に作れる料理教室なども開催していきたい」と阿部さんは話してくれました。
10月頃からお店の引継ぎを行い、地域の方との交流会やお食事会を開催し、地域の方に認知して頂き、新たな開店を迎えることができました。
新しい後継者に受け継がれた事で地域にも新しい風がふき、新たな方たちが訪れてくれるきっかけにもなるのではないかと今後がとても楽しみです。
津南町は、新潟県に位置する日本有数の豪雪地帯で、自然豊かな地域です。信濃川や河岸段丘など、美しい自然景観が広がり、四季折々の観光が楽しめます。また、温泉地や農業が盛んで、特につなんポーク・妻有ポークやコシヒカリが有名です。
その津南町商店街エリアにある『喰い処 味郷(みさと)』は、とんかつをメインに提供する一般食堂です。津端さんご夫婦が切り盛りしています。
創業は17年前(2007年)で、それ以前は夫婦ともに別の仕事に就いていました。60歳近くで仕事を退職し、長年料理に携わっていたふさいさん(奥さん)の経験を活かし『喰い処 味郷』を開業致しました。
地元の「妻有ポーク」を使用した料理が特徴で、特に250gの大きなとんかつが人気です。以前、津南町に「まるか」いうとんかつ屋さんがあり、250gの大きなとんかつが人気でしたが廃業してしまい、大きいとんかつを出すお店が無くなってしまったことから、「喰い処 味郷」を創業する際に、看板商品にすることにしました。
津南町の観光客や町外、県外から訪れるお客さんも多く、地元の人々にも親しまれています。
自家栽培と地元産の食材を使った手作り料理
自家栽培で作られている魚沼産コシヒカリを使用し、野菜も全て自身の畑で作っている野菜を使用しています。小鉢もふさいさん(奥さん)の手作りになります。
お店で使用してる「妻有ポーク」は、飼料にこだわり、時間をかけて育てられています。その最大の特徴は脂身。一般的な豚肉が融点38℃前後に対して32℃と人肌でも融けてしまうほど融点が低く、口の中で脂身がとろけ、芳醇な旨味と甘みが口いっぱいに広がります。
融点が低いことから、まろやかな甘みがありながらあっさりと頂けるお肉と、「魚沼産コシヒカリ」の独特な甘みと、食感はもっちりとした粘り気が特徴で、噛めば噛むほど口の中で優しい甘みが広がります。こだわりのお肉とお米で食事も進みます。
地域に根付くお店を残していきたい
「やっていて大変だなと思った事は無いですし、お客さんが美味しいっていってくれることがやっててよかったと思える瞬間です」と話す津端さんはいつも明るい笑顔で迎えてくれます。
その津端さんが、後継者を募集しようと思ったのは、高齢になってきて体力的にもしんどくなってきたため。2024年11月末に閉店を予定しており、後継者が見つからない場合は廃業する予定です。
事業を引き渡すにあたり、味や仕入れ先等の引き継ぎもします。お店の名前も看板もそのまま使うこともできます。メニュー(特にとんかつ)や屋号を承継することで、既存のお客さんを引き継ぐことができるはずです。もちろん、承継するだけでなく、新たなメニューや営業形態に挑戦いただくことも可能です。
創業から売上は良好でしたが、新型コロナウイルス感染症の拡大を機に宴会が徐々に減少し、現在の年間売り上げは少し下がっています。事業を引き継いで下さる方は、売上UPのために、夜の営業も検討した方がいいと津端さんは話します。
設備は、厨房機器を含め一式を30万で譲渡したいと考えています。土地建物は賃貸のため、家賃は大家さんとの相談になります。