
岐阜県郡上市八幡町は、城下町の風情を色濃く残すまちです。毎年夏になると、日本三大盆踊りのひとつ「郡上おどり」が開催され、30万人を超える人々がこの小さなまちを訪れます。夜通し踊り続ける「徹夜踊り」は、全国から踊り手が集まる夏の風物詩です。
その郡上おどりのメイン会場となる旧庁舎前に、「野崎肉店食事処」はあります。毎年、店の目の前では太鼓と三味線の音色が鳴り響き、踊り手たちが夜を徹して踊ります。2階の客席からは、まちのシンボルである郡上八幡城が一望できる、この上ない立地です。
2008年、店主の野崎 三郎さんは50歳を過ぎてから飲食店を新規に開業しました。建物も同じ年に新築しており、比較的新しい状態を保っています。建坪9坪の2階建て、1階に8席、2階に16席の合計24席。決して大きくはありませんが、しゃぶしゃぶとすき焼きを看板料理とする、心温まる食事処です。
「野崎肉店食事処」はオーナー夫妻とアルバイト1名の3名体制で営んできました。昼は観光客、夜は地元のお客様が訪れ、コロナ禍前には年商約1,000万円の売上がありました。開業以来、このまちの中心で多くのお客様に親しまれてきたお店です。
このまちとともに歩んできた16年の間に、年齢を重ね体力の衰えを感じるようになった野崎さんは、ひとつの決断をしました。守り続けてきたこの場所で、これから先も灯りを灯し続けるには、新しい力が必要だと。そして今、次の世代へとこの店を引き継いでくれる方を探しています。


看板料理と手作りの味が光る、小さな食事処
店の看板料理は、何といっても「トンしゃぶ定食」です。1,650円のこの定食は、独特の調理法で臭みを完全に取り除いた豚肉を使っており、多くのお客様に人気の一品となっています。
もうひとつの名物が、手作りの「いぶり豆腐」です。白山豆腐を3日間特性醤油に漬け込んで燻製にしたこの料理は、義経も食べたかもしれないと言われる伝統の製法を守り続けています。郡上踊りせんべいも手作りで、料理に彩りを添えています。
店内は城下町らしい趣きある造りになっています。すべてのテーブルにガス配管が施されており、テーブルコンロでしゃぶしゃぶやすき焼きを、湯気を立てながら目の前で楽しむことができます。1階と2階を結ぶ料理運搬用のエレベーターも備えられており、少人数でも無理のない運営が可能です。
厨房の設備は比較的新しい状態を保っています。冷蔵庫、冷凍庫、オーブン、コンロ、食洗器などが揃っており、2008年の開業時に整えた設備がそのまま使える状態です。


城下町の灯火を、次の世代へ
土地と建物は月額12万円での賃貸を希望しており、什器・備品については面談のうえで相談とし、譲渡についても応相談です。
野崎さんが引き継いでほしいのは、建物や設備だけではありません。16年間、このまちで磨き続けてきた味と技があります。お客様に親しまれた「トンしゃぶ定食」の調理法、伝統を受け継ぐ「いぶり豆腐」の製法、そして長年お付き合いしてきた仕入れ先との繋がり。野崎さんは、これらすべてを次の担い手に丁寧に伝えたいと考えています。
飲食業の経験を活かして新しい土地で挑戦したい方、城下町という特別な環境で店を営みたい方、郡上の食文化に触れながら自分なりの店づくりをしたい方。そんな方に、この店を引き継いでいただきたいと考えています。

