奥美濃に伝わる昔ながらの「古式しまだ麺製法」にこだわって44年。製麺会社と製造ノウハウを譲渡 | ニホン継業バンク
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2022.08.31

継業しました!


奥美濃に伝わる昔ながらの「古式しまだ麺製法」にこだわって44年。製麺会社と製造ノウハウを譲渡

事業譲渡

古式しまだ麺の味に感動して創業

古式しまだ麺は、奥美濃地域に古くから伝わる製麺法で、麺が放つ熟成熱を逃さず、送風だけでじっくりと乾燥させることが特徴です。のべ60時間かけて表面と中心部の水分を一緒に抜きながら乾燥させるため、乾麺で2年以上保管することが可能です。日本髪の「高島田」に挿すかんざしに麺の形状が似ていることから「しまだ式製麺法」と呼ばれています。

麺が並ぶ姿が「高島田」に挿すかんざしに麺の形状が似ている

「株式会社そばの更科」があるのは、岐阜県郡上市の白鳥町(しろとりちょう)。工場の200メートルほど先には清流として知られる長良川の源流が流れ、その伏流水を麺の製造にも使っているのだそうです。

1978年に現社長の永田絅二さんが創業スタッフとして参加し、古式しまだ麺の乾麺を中心に、うどんやきしめん、ラーメンといった生麺を製造販売してきました。永田さんは他の事業を手がけた後、1991年に社長に就任し、30年以上が経過しました。

蕎麦の事業を始めたきっかけについて、永田さんはこう話します。

「小さい頃はうどん文化が根付く地域で育ったので、蕎麦は身近な食べ物ではありませんでした。しかし大人になってから蕎麦を食べるようになり、『こんなに美味しい料理があるんだ!』と気づきました」

現社長の永田絅二さん。現在78歳

蕎麦の美味しさに気づき全国を食べ歩き、ここ白鳥町でしまだ麺を食べた味に感動した永田さんは、この味を全国に展開しようと、蕎麦の事業を始めました。

販売している商品の一部

廃業するつもりだった

そばの更科の麺は、岐阜県内の食品スーパーや土産物店、産直市だけでなく、お中元・歳暮時の商品として全国に販路を展開しています。最盛期は3億円の年商でしたが、廃業することを視野に入れていたため徐々に事業を縮小し、現在の年商は約3,000万円です。

「もともと廃業するつもりでしたが、誰かにこの味や製法を引き継いでもらえたら嬉しいと考えるようになり、事業承継を決めました。私は現在78歳なので、元気なうちにいろいろ教えてあげたいと思います」と永田さん。

社長自身もパッケージ作業を手がける

現在、機械を導入して古式しまだ麺を製造する会社は日本に数社程度。永田さんは「岐阜県内には家内工業的にやっている事業者はいるかもしれないですが、本格的に製造している会社は、ほとんどいないのではないでしょうか」と話します。

機械化が進んでいるとはいえ、乾燥に60時間かけ、手間もひまもかかる古式しまだ麺製法。大量生産されている蕎麦と比べると価格は高くなってしまいますが、それは丁寧につくられている証拠でもあります。

大きな製造ラインも完備

2つの工場には、生麺ライン、半生麺ライン、茹で麺ライン、焼きそばオートスチーマライン、乾燥めんラインの5つの大きな製造ラインが並び、社長を含めた8名の従業員が従事しています。設備は減価償却済ですが、丁寧に使っているため、経年劣化等は見られません。

「整理・整頓・清潔・清掃・躾の5S運動に力を入れ、食品会社としての食の安心安全に努めてきました」と社長の永田さんは自信を持って話します。

バッグヤードの整理整頓も心掛けている

また、製造管理マニュアルを作成しているため、ノウハウの引継ぎもスムーズに行えそうです。株式譲渡後は、希望があれば一般顧問という形で製造技術やノウハウを教えてもらうことができます。

日本三大清流の長良川をかかえる豊かな自然に囲まれる郡上市にて、昔ながらの製法を受け継ぎながら、日本食文化の代表格である蕎麦を通して新しいチャレンジをしたい方からの応募をお待ちしています。

譲渡概要

事業者名

株式会社そばの更科

所在地

岐阜県郡上市白鳥町白鳥1068-1

事業内容

乾めん・生めんの製造、販売

年商

約3,000万円

HP

そばの更科HP

譲渡条件

株式譲渡

2,000万円(税別)

土地:1,304㎡(固定資産税評価額:14,152千円)

建物:第1工場:579㎡、第2工場:777㎡(固定資産税評価額15,268:千円)

従業員:8名(社長、社員、パート社員含む)

継業までの流れ

①オンライン面談

②現地面談

③交渉・契約

④事業譲渡

補助金情報

郡上市事業承継支援事業補助金

市内の既存店舗等の事業を承継しようとする家族承継者又は第三者承継者の、改修に係る経費に対して補助金を交付します。(詳しい要件についてはホームページをご確認下さい。)

補助率・限度額:補助対象経費の2分の1以内とし、50万円

 

郡上市UIJターン就職奨励金

郡上市内の企業が求める優秀な人材や事業を承継する人材を確保するとともに、市内への定住の促進を図ることにより人口の減少を抑制することを目的として、UIJターン者及び新規学卒者に対して奨励金を交付します。

奨励金:対象の方には、10万円を交付

 

新商品等開発支援補助金制度

市内の中小企業者等が新商品等の開発を行う場合に、経費の一部を次のとおり助成する制度。

補助率・補助額:補助対象経費の2分の1以内とし、50万円

現地窓口/サポート

郡上市商工会事業承継支援センター

その他の継業情報