山陰海岸ジオパークにあるログハウス
神鍋(かんなべ)高原は、ユネスコの指定する山陰海岸ジオパークと氷ノ山後山那岐山国定公園の指定区域内にある高原リゾートです。大正時代に開設された神鍋高原スキー場をはじめ3つのスキー場を持つ、関西きっての名門スキー場で、1980年頃からは、ゴルフ、テニス、パラグライダーなどのアウトドアも楽しめるオールシーズン対応のレクリエーションエリアとして賑わってきました。
ログリゾートかんなべの創業は約30年前。現オーナーの今村則子さんは、定年退職を機に、知人であった初代オーナーから土地建物と屋号を譲り受け、大阪から移住。以来約20年間、自分の趣味や暮らしを中心に置きながら、ゆっくり、無理をせず、ログリーゾートかんなべを営んできました。
本格カナディアンログハウスに暮らす
ログリゾートかんなべは、ログハウスとそれに併設される宿泊棟の二棟に分かれています。ログハウスの1階は、食堂兼リビング。2階は今村さんの居住スペースになっています。
ログハウスは、カナダ産の直径40cmを超えるパイン(松)材の丸太で組み上げられたハンドカットログハウスです。ハンドカットログハウスとは、ログビルダーと呼ばれる職人が丸太の皮を一本ずつむき、チェーンソーで加工した丸太を組み上げて造ったログハウスのことで、販売価格は、坪単価で約80万~120万円と言われています。
機械で加工されていない、自然の形を生かした丸太のぬくもりを直に感じることができる落ち着いた空間にいると、時間の流れが少しだけゆるやかになったように感じます。今村さんは、この空間で趣味の音楽やアートを楽しんできました。
「ログハウスが好きな人、ここで暮らしてみたい人、やりたいこと、夢がある人に譲りたい。儲けたいと思う人にはしんどいかもしれない」と今村さんは言います。定年後の充実したセカンドライフを過ごしてきた今村さんならではの矜持かもしれません。
ワークライフバランスはあなた次第
今村さんはそう話すものの、事業性が乏しいかといえば、そうとも言えません。
ペンションの客室は全7室。最大収容人数は25名ですので、しっかり回転させれば十分に収益をあげることはできるはずです。
関西圏で認知度が高く、オールシーズンでアクティビティが揃う神鍋高原の観光地としてのポテンシャルは高く、その地でログハウスという他にない特徴があることは大きな強みです。また、リモートワークやワーケーションといった新しい需要も追い風となるはずです。
今村さんのように自分の趣味や暮らしを中心に置いてもよし、神鍋高原とログハウスのポテンシャルを最大限に活かした人気の宿を目指してもよし。季節によって業態を切り替えてもいいかもしれません。自分なりのバランスで趣味と実益を両立させるペンション経営を目指してみてはいかがでしょうか?