地域の暮らしを支える板金整備工場
新千歳空港から車で約30分、北海道有数の酪農地帯として知られる安平町早来(はやきた)。豊かな自然に囲まれたこの町で、地域の自動車板金整備を支える重要な存在として長年親しまれてきたのが早来フェンダーです。
雪深い北海道では、自動車は単なる移動手段以上の、生活になくてはならない存在。特に早来地区では、酪農家をはじめとする多くの方々が日々の営みに自動車を必要としています。そんな地域の暮らしを支えているのが、早来フェンダーなのです。

地域の信頼関係で築かれた確かな実績
早来地区内の3つの自動車整備工場からの部品発注と修繕依頼を主に請け負う早来フェンダーは、地域の自動車板金整備において欠かせない存在となっています。
「この地域の整備工場さんとは長年の付き合いがあり、お互いの仕事の進め方を理解し合っています。その信頼関係があってこそ、スムーズな修理対応が可能なんです」と、経営者の芳賀さんは語ります。
整備工場からの下請け業務を中心に、個人の整備依頼まで受け付けており、できる範囲で最善を尽くすという姿勢で取り組んできました。その真摯な対応が、まさに早来地区の自動車板金整備の要として地域からの信頼を築いてきました。
充実した設備と地域に寄り添う営業姿勢
早来フェンダーには、塗料撹拌機、赤外線乾燥機、フレーム修正機、コンプレッサー、洗車機、溶接機など、自動車板金整備に必要な設備が揃っています。
「道具を大切に使い、定期的なメンテナンスを欠かさない。それが良い仕事につながるんです」と芳賀さん。その言葉通り、工具や設備は丁寧に手入れされ、いつでも最適な状態で使用できるよう管理されています。
工具や設備を丁寧に管理していることに加え、施設内のストーブには廃油を使用するなど、経費を抑える工夫も随所に見られます。
また、北海道の季節に合わせた営業時間の設定も、早来フェンダーの特徴です。
夏場は午前6時30分から、冬場は午前8時30分からと、季節による日照時間の変化に合わせて営業時間を変更しています。この柔軟な対応により、地域のニーズに的確に応えています。
顧客基盤を受け継いで地域の暮らしを支えて欲しい
芳賀さんは2025年の夏頃を目処に、次の世代へとバトンを渡したいと考えています。
「長年この地で営業してきて、多くのお客様や地域の方々との絆を築くことができました。この大切な財産を、ぜひ意欲のある方に引き継いでいただきたい」と語ります。
「苫小牧市や千歳市の事業者からも関心を寄せていただきましたが、早来で事業を続けていただける方にお譲りしたい」と芳賀さん。地域の自動車板金整備の要として、この場所だからこそ築ける関係があると考えています。
早来に移住してから約50年間、この地で事業を営んできた芳賀さん。「空気が澄んでいて、山菜取りができたり、海が近くて釣りにも行けたりと、自然を楽しめる環境が整っています」と、この土地の魅力も語ります。

「私の仕事は、確かな技術と地域との信頼関係の上に成り立っています。ですから、ある程度熟練した技術を持った方に引き継いでいただきたい」これまでの信頼関係と技術力を絶やすことなく継続していくため、芳賀さんはさらに後継者に対する思いも明かします。
技術的な指導は考えていないため、既に技術を持った方を求めています。また、各機械など、道具を大切に扱える人であることも重要な条件です。
事業所の土地の一部が地元の神社からの借地となっているため、引継ぎの際には神社側との賃料の協議が必要となります。
地域の自動車板金整備の要として確かな顧客基盤を持つ早来フェンダー。長年築き上げてきた信頼関係と充実した設備を引継ぎ、地域の暮らしを支えてくれる担い手を求めています。