過疎化の進む地域の生活を支える簡易郵便局
切手の販売や郵便物の引受け、お金の預入れから引出し、保険の加入など私たちの日常生活を支える郵便局は、日本全国に約24,000局あります。そのうち約4,000局は「簡易郵便局」として、日本郵便から業務委託を受けた個人や法人により運営されています。郵政民営化以前から、主にサービス空白地域において郵便局窓口事務を地方公共団体や組合、個人等が受託していたものが簡易郵便局です。
簡易郵便局は地域にとっての重要な生活インフラであり、郵便物や小包の送付、給与や年金の引き出しなど、特に代替サービスの提供拠点が少ない山間部エリアでは必要不可欠な存在です。しかし、簡易郵便局受託者の高齢化等に伴い、営業継続が困難な簡易郵便局は増えつつあり、全国各地で簡易郵便局受託者を募集している状況です。
現在、北秋田市内にも受託者を募集している簡易郵便局があります。北秋田市で郵便局窓口業務を通じて、地域に貢献できる仕事をはじめてみませんか。
遠くに住む家族との絆をつなぐ重要な架け橋
秋田県で2番目に面積が大きい北秋田市には、東京羽田便が発着する大館能代空港があります。県立自然公園に指定されている森吉山麓をはじめ、ブナの原生林や多数の瀑布など優れた自然景観や山岳渓流に恵まれています。
人口約2.9万人ながら高齢化率45%と、少子高齢化が深刻な北秋田市。自家用車の運転が困難な高齢の方々にとっては、簡易郵便局の閉鎖に伴って不便が生じています。年金を引き出すために地域内の誰かが市街地に行く際に、車に乗り合わせて出かけるなどしているそうです。
「過疎地の簡易郵便局という存在は、お金を引き出す以外にも遠く離れて暮らす子どもや孫へお米や野菜を送るなど、家族の絆をつなぐ重要な架け橋であると考えます」と北秋田市役所の担当者は話します。
現在簡易郵便局を募集している五味堀(ごみほり)地区は、一級河川の阿仁川からも近く、毎年7月1日の鮎釣り解禁日からは県内外から訪れるたくさんの鮎釣りファンの方々で賑わいます。また、秋田内陸縦貫鉄道・通称「秋田内陸線」の前田南駅から200メートルの場所にあり、アニメ映画「君の名は。」の一場面によく似ていることから、多くのアニメファンが聖地巡礼に訪れ、話題になりました。
簡易郵便局で働きながら地域の担い手に
簡易郵便局受託には、次のような特徴があります。
・全国の簡易郵便局の約9割が個人受託となっており、事前研修や開局後のサポートもあるので、未経験の方でも安心して業務ができます。
・65歳以下の方であればお申し込みが可能で、幅広い年齢層の方が活躍しています。
・定年がないため、長く続けることができます。業務上の支障がなければ、何歳まででも続けることが可能です。
・兼業が認められているので、農業や小売業など、他の仕事と両立している方もいらっしゃいます。
・郵便・貯金・保険業務を受託している場合は固定額として月額約30万円の手数料が支払われます。加えて取扱件数に応じた手数料も支払われます。
簡易郵便局施設や設備については、以前使用されていた建物を引き継ぐか、もしくは空き家等を活用して新しく用意することになります。現在、五味堀簡易郵便局は別の建物に建て替わっているため新しく用意する必要がありますが、物件探しは北秋田市も協力しますのでご相談ください。
後継者不足が深刻化する地方都市では、地域の担い手が必要である一方、これまで兼業や年金との両立ありきだった事業も多く、ひとつの事業だけでは売上が確保できないという課題があります。北秋田市でもきりたんぽ鍋に欠かせない野菜「セリ」農家の担い手と天然秋田杉桶樽づくりの技術伝承の後継者を募集しています。
これら北秋田の仕事の担い手になる上で、簡易郵便局との兼業は担い手の生活を支え、自己実現の後押しをしてくれると期待しています。
北秋田市で継業したい方や、地域のインフラである簡易郵便局の仕事に興味を持たれた方は、まずは気軽にお問い合わせください。