炭鉱の時代から残るレトロな食堂の四代目店主を募集 | ニホン継業バンク
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2021.04.27

継業しました!


炭鉱の時代に創業し、90年以上。手打ち蕎麦が人気だった、レトロな食堂の4代目店主を募集

後継ぎ募集

幾春別の歴史をみてきた食堂

趣ある店内。炭鉱夫たちもここで食事をした

古くは炭鉱のまちとして栄えた三笠市。最盛期には63,000人が暮らしていました。今回後継者を募集する「更科食堂」は、創業から約90年以上、炭鉱で働く坑夫たちのお腹を満たしてきた、幾春別でもっとも古い食堂です。

更科食堂の創業の地は、三笠市のおとなりの岩見沢市美流渡(みると)。3代目の平田尚敬さんのおじいさんが、富山で蕎麦の修行をした後に創業。昭和初期に現在の場所に店舗を移しました。尚敬さんのお父さんは、炭鉱での仕事のかたわらお店を手伝っていたそうです。

小さい頃からものづくりが好きだった尚敬さんは、高校卒業と同時に蕎麦打ちをはじめ、40歳の頃に3代目の店主となりました。

しかし、その頃には炭鉱はすでに廃鉱となっており、人口は徐々に減少。いまでは約8,000人まで減りました。

2階にある蕎麦打ち台にも歴史を感じる

幾春別の時代の移り変わりを見てきた更科食堂も、尚敬さんの健康上の理由と建物の老朽化から、一度は廃業を決めたそうです。

しかし、炭鉱時代の面影を残す建物と、引き継がれてきた秘伝の出汁を使った蕎麦つゆの味をこのまま失うのは忍びないと、地域住民が建物を保全。そして今回、三笠市が地域おこし協力隊制度を活用し、更科食堂の4代目店主として1〜2名を募集(夫婦や親族により複数名で継業したい場合は、2名での応募も可)することになりました。

更科食堂の建物と味をまちに残したい

昭和初期の更科食堂
現在の更科食堂。外壁などは創業当時のまま当時の面影を残している

更科食堂までのアクセスは、札幌から高速を利用して約1時間少々。札幌から富良野までの中間に位置しているため、食事休憩として立ち寄る方も多いそうです。

更科食堂の建物は、昭和初期に建てられた当時のまま。特徴的な青い屋根の形と板張りの壁の外装だけではなく、店内にも昭和初期のレトロな雰囲気が残ります。建物の1階が店舗、2階が蕎麦打ち部屋で、半分は住居スペースとなっています。4代目には、地域おこし協力隊の任期期間中この建物が無料で貸与され、任期終了後には、土地建物が無償譲渡されます。

蕎麦以外にもうどんやラーメン、丼ものなども提供していますが、看板メニューは、手打ち蕎麦。初代から手打ちを続けています。尚敬さんも2代目から蕎麦打ちを習いました。

蕎麦つゆとかえしは、昆布、宗田鰹などの上質な素材から取る出汁をつかった秘伝のレシピ。これが更科食堂の味を支えています。

ざるそば。蕎麦は手打ち。つゆは秘伝の味つけ

常連だったお客さんからは、こんな声も上がっています。

「出会って30年、昼時並ばすに入れたらラッキーです。サラリーマンにとってはお財布にやさしい価格設定なのでついつい2つ注文しちゃいます。」

「おすすめはなんといっても手打ちの冷たいそば。麺のシャキシャキ感が店主こだわりのつゆと相性抜群です。あの味が食べれなくなって寂しい限りです…1日も早い再開を期待しています。」

蕎麦以外の商品も含め、更科食堂の味は、尚敬さんから4代目に引き継がれます。尚敬さんは持病を抱えており、十分な修行時間を取れない可能性もあるため、調理・飲食業の経験がある方が好ましいです。しかし、飲食経験がない方でも、老舗蕎麦店を承継する意思があり、まじめで根気強く仕事に向き合える方であれば歓迎します。

歴史ある食堂を地域ぐるみで再開する

更科食堂のある三笠市は、北海道のほぼ中央に位置しており、札幌市や旭川市だけではなく、新千歳空港からも1時間圏内と、主要都市へのアクセスが便利です。

三笠市は、「2021年版 住みたい田舎ベストランキング」(宝島社)の北海道エリア「総合部門」ランキングで、第3位にランクイン。また、地域おこし協力隊として三笠市に移住した方によれば、三笠市ではフルーツから葉物野菜、根菜まで幅広く生産しているので、美味しい食材が安く手に入るそうです。

雪の中のれんを出す、3代目店主の平田尚敬さん

地方都市での飲食店経営では、地域外からの集客はとても重要です。更科食堂の繁忙期は春から夏で、特にゴールデン・ウィーク、夏休み、シルバー・ウィークがかき入れどきだったそう。新型コロナウイルス感染症によって生活様式が変わりましたが、それを乗り越えられるようなアイデアを取り入れた経営ができると心強いと思います。

今回のプロジェクトに対して、まちもサポート体制を整えています市は地域おこし協力隊制度を活用。任期期間の最長3年間は、三笠市の会計年度任用職員(開業後は雇用関係無いの委嘱)として給与が支給されます。町内会をはじめ地域の方も、地域の食堂を継いでくれる4代目を積極的にサポートします。

更科食堂は、90年以上の歴史がある地元の有名店。平日、休日に関わらず、行列ができるほどでしたが、残念ながら閉店。SNSでは惜しむ声が多く投稿されました。その再開時には、きっと市内外から多くのファンが訪れてくれるはずです。三笠市、幾春別地域の古き良き時代の思い出をいまに残すこの食堂を、まちと一緒に再開してみませんか?

募集要項

事業者名

更科食堂

事業内容

飲食店(食堂)

所在地

北海道三笠市幾春別1丁目174番

業務内容

・更科食堂の再開および継業

・レシピの習得

譲るもの

・味(つゆ)とメニュー

・のれん(希望があれば)

・土地、建物(雇用期間中は無償貸与、承継後に無償譲渡

対象者(継いでほしい人)

・老舗蕎麦店(食堂)を事業承継する意思がある

・飲食業の経験があり、レシピを見るだけである程度調理出来る

・蕎麦打ちの修行をして、蕎麦店開業を目指している

・体力に自信があり、まじめで根気強く仕事に向きあえる

・気さくで明るい

・令和2年4月時点で20歳以上の方 

・学校教育に基づく高等学校を卒業した方(高卒以上)

・3大都市圏の都市地域又は地方都市(条件不利地域を除く)にお住まいの方(住民票を有する方)で採用後、三笠市に住民票と生活拠点を移すことができる方

・パソコン(ワード、エクセル、インターネット)の基本的な操作ができる方

・普通自動車免許を有しており、日常運転に支障のない方

・活動期間終了後、三笠市で事業承継対象店舗を経営する意欲のある方

・地方公務員法第16条の欠格条項に該当しない方

承継条件

・三笠市地域おこし協力隊(採用時は会計年度任用職員、開業後は雇用関係無しの委嘱となります)

・年度毎の更新、最長3年間 

・月給166,000円

・自家用車借上料 30,000円/月

 ※活動に必要な車両については隊員本人が用意するものとします。

 ※自家用車借上料の他、活動費に掛かるガソリン代は市で負担します。

・月末締当月21日払い

・時間外勤務手当あり(委嘱後は適用外)

・勤務を要する時間に勤務しなかった場合、三笠市職員給与条例72条の例により算出した勤務1時間あたりの給料を当月又は翌月の給与月額から減額して支給することとします。

・社会保険完備(健康保険、厚生年金、雇用保険)に加入 

・住宅あり(隊員用の住居)

 ※三笠市が用意した会員向け住宅に居住した場合、市が賃借人となり、敷金・礼金・仲介料、賃貸に掛かる費用を市が全額負担します。

 ※生活に必要な備品・用品、光熱水費及び火災保険(家財保険)などは個人負担となります。

・期末手当(各月報酬額の1.275月分)あり。年2回(6月、12月)

その他

【現地説明会実施予定】

現地説明会は、2泊3日以上の期間を設け引継ぎ予定の店舗を見学し店主と顔合わせを行います。

市内で宿泊される場合は、宿泊料を市が負担します。旅費は自己負担となります。

 

・パソコン、携帯電話の他、作業服などの活動に必要と判断する物品は予算の範囲内で市が用意します。

・地域おこし協力隊起業支援補助金100万円

・その他助成金制度もあります。詳細は説明会にてお伝えします。

 

応募方法は専用の応募用紙をダウンロードして、メールまたは郵送してご応募ください。

採用者が決定次第募集を終了しますのでお早めにご応募ください。

募集要項・応募用紙のダウンロードはこちら

現地窓口/担当者

採用について 三笠市役所政策推進課定住対策係 電話 01267-2-3182

事業承継について 三笠市役所商工観光課商工観光係 電話 01267-2-3997

 

三笠市は人口約8,000人ほどで北海道のほぼ中央に位置し、札幌駅から車で50分(高速道路利用)でありながら、豊かな自然と美しい山並みに囲まれた、農業と観光が基幹産業のまち。市内には大型ショッピングセンターや総合病院もあり、田舎でありながらも不便さはそれほど感じません。夏はバーベキューや山菜取り、冬はスキー、スノーボードなどのアウトドアな生活を楽しめます。

移住定住の促進や、観光農業の振興など、地域力の維持・強化が課題となっている為、より一層の地域活性化を図ることを目的に、「三笠市地域おこし協力隊」を募集します。地域づくり活動に意欲のある方のご応募をお待ちしています。

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