大自然に囲まれた地でペンションを開業
大阪から車で2時間半、兵庫県豊岡市に位置する神鍋高原。大自然に囲まれ、夏はゴルフやキャンプ、冬にはスキーやスノーボードなど、年間を通して満喫できます。
関西で最も歴史のあるスキー場や、ゴルフ場、キャンプ場からほど近い場所にある「ペンション・スモークウッド」の継ぎ手を募集します。
スモークウッドを約30年間経営してきたのは、兵庫県神戸市から移住をした佐藤さんご夫妻。もともと教師だったおふたりは、40歳の頃に退職し、一念発起してペンション経営を始めました。
スキー好きが高じて、学生時代には宿泊施設に住み込みで働いた経験があったという、賢治さん。いつでもスキーができる環境だったことや、知人が神鍋高原でペンションを経営していたことから、この地で開業することを決めたそうです。
常連さんからの「ありがとう」がなにより嬉しい
佐藤さんに、ペンション経営の楽しさについてお伺いしました。
「こちらは宿泊代をいただくのに、お客さんから『ありがとうございました』と言われるのは嬉しいですね。みなさん手土産を持ってきてくれたりもして」
お客さまの声を聞くことが何より嬉しいからと、ネットでの宿泊予約にはあえて対応せず電話のみ。それでも、年に数回来てくれる常連さんを中心に、支えられてきました。
しかし、70歳になったのを機に、ペンションを譲ろうと決意。
「継ぐひとには、好きなようにやってもらえればと思います。ネット上での発信に力を入れて、新しいお客さんを獲得した方がいいと思います。もちろん、うちの常連さんにも紹介します」
ペンションは、オーナーの魅力が人気を左右します。スモークウッドも佐藤さんご夫妻に会いに来ている人が多く、常連さんもオーナーたちと一緒に歳を重ねています。だからこそ、新オーナーには自由に新しいことをやってほしいそうです。
看板メニューは自家製スモーク料理
スモークウッドという名前の由来でもあり、看板料理は自家製スモーク(燻製)料理。朝食には自家製ハムやソーセージを食べることができます。
ペンションを始めるにあたり、看板料理をつくろうと思いついたのが、昔から趣味で作っていた燻製でした。
しっかり学ぶために、本場のドイツに行って食べ歩いたり、日本国内の教室で勉強した経験も。「スモーク料理の味を受け継ぐことは絶対ではないですが、製法は伝授するので続けてほしいと思います」
地域とのつながりを大切にしてほしい
いっぽう、継いでもらう人に求めることは、「村社会を理解できること」。
地域の方との繋がりを大切に、村ならではの行事などを理解し、尊敬しあう関係を築いていくことが大切です。
少し厳しい印象を持ってしまうかもしれませんが、スモークウッドのある東河内(ひがしごうち)地域は、移住者を歓迎する雰囲気があります。また、近くにある空き別荘を活用し、県外の方が移住し、ペンションを始める予定だそう。
昔に比べてペンションの数は減ってしまったものの、しっかり運営すれば売上は上がるはずだと話します。
「友達もペンションをやっているんですけどね、建物自体は古いけど、オーナーの面倒見がよくていつも賑わっているんです」
スキーという好きなことを追いかけて神鍋高原でペンション経営を始め、「もうやり尽くした」という佐藤さんは、これからは海の近くで釣りをする生活がしたいのだとか。
佐藤さんが30年間築いてきた地域とのつながりを大切にしながら、佐藤さんのように神鍋の自然と自分の人生を楽しみ尽くしてくれるひとに、このペンションを継いでもらいたいと思います。