2023.08.29

募集終了


文豪も愛した青森県の下風呂温泉郷。創業150年以上の風情ある「まるほん旅館」で未来の若女将を募集
後継ぎ募集

【11月10日応募締切】3泊4日の現地インターンシップを通して、温泉旅館の女将の仕事を体験してみませんか?現地の宿泊費及び参加費は無料です。記事文末からご応募いただけます。

本州最北端にある温泉郷・下風呂(しもふろ)温泉郷は、室町時代から湯治場として栄え、津軽海峡に面した硫黄の香り漂う温泉街です。昭和の小説家・井上靖をはじめ、数々の文豪が足を運んだ名湯としても知られています。

そんな下風呂温泉郷にある小さな宿「まるほん旅館」は、村の中で最も古い歴史をもつ、創業150年以上の老舗旅館です。現在は、25年前にUターンした長谷雅恵さんが女将として切り盛りしています。

今回は、雅恵さんのもとで修行し、まるほん旅館の将来の女将を目指すひとを募集します。

家業の旅館を継ぐため、生まれ故郷にUターン

まるほん旅館を切り盛りする女将の長谷雅恵さん

まるほん旅館の歴史は、雅恵さんの曾祖母の代までさかのぼります。1887年に曾祖母が創業した旅館を代々受け継いできました。高校から村を出て都会で働いていた雅恵さんは、下風呂というまちが好きで、生まれ故郷に戻ってきたといいます。

「一度は村を離れましたが、何代も受け継がれてきた大切な旅館が途絶えてしまうのはもったいないという思いが強まり、この場所に帰ってきました。ちょっと出かけただけで知り合いにバッタリ会って楽しく話をしたり、津軽海峡の美しい海を見渡して元気をもらったり、都会では味わえないこの暮らしがすごく気に入っています」

津軽海峡の景色

湯治客が求めた日本屈指の硫黄温泉

住む場所だけでなく、働き方も会社員の頃とは違うと語る雅恵さん。女将として、365日ずっとお客様のことを考える日々。常に緊張感を持ってお客様と接するなど大変なこともありますが、やりがいを感じることも多いのだそう。

「古い旅館なので、初めて来たお客様が外観の古さにびっくりされることもあります。リゾートホテルのような華やかなおもてなしはできませんが、田舎ならではのほっと落ち着くサービスを心がけています。来たときは心配そうでも、帰るときには笑顔になったお客様を見ると、精一杯おもてなしをして良かったなと思います」

硫黄の香りがたまらないまるほん旅館の内湯。旅で疲れた体を温めます

下風呂温泉郷の源泉は、「大湯系」「新湯系」「浜湯系」の3つで、まるほん旅館の内湯は「大湯系」の掛け流しをもとに、心地良い温度を保つよう湯加減を調整しています。

魅力はなんといっても泉質。刀傷にも効果があるといわれており、病気を治すために長期滞在する湯治の宿として多くのひとが訪れました。今でこそ湯治文化はなくなってしまったものの、アツアツの硫黄温泉と雅恵さんのおもてなしがお客様の心を癒します。

海山の食材が堪能できる季節の料理は、地元ならではの旬の海鮮が自慢。その日の食材やお客様の好みにあわせてつくる女将の真心こもった家庭料理が味わえます。

料理は、うに・あわび・あんこうプランの3つから選べます

昔ながらの館内には、創業時から使われている部屋番号札や、懐かしい黒電話など、明治・昭和・平成といった時代をこえて受け継がれたアイテムがいっぱい。また、港側の客間からは、美しい津軽海峡が望め、日常の喧騒から離れた静寂な時間を楽しむことができます。

館内へ一歩入ると、田舎のおばあちゃんの家に帰ってきたような落ち着く空間が広がる

下風呂温泉郷をPRする「おかみの会」

定期的に集まって親睦を深めるなど、普段から仲睦まじい「おかみの会」

下風呂温泉郷の旅館の女将で構成される「下風呂温泉おかみの会」。雅恵さんは、おかみの会の会長も務めています。まちのイベントに出演するなど、下風呂温泉郷を盛り上げようと、様々なところで下風呂温泉のプロモーション活動を行っています。

「各地に視察にいったり、泉質の効能を調べたりと、以前は積極的に活動していました。最近では活動の時間が減っていますが、下風呂温泉郷のためにできることがあればすぐに駆けつけます!」

新しい若女将にもおかみの会に入会してもらい、一緒に活動してほしいといいます。

後継者不足で温泉郷自体が存続の危機に

現在、9軒の宿がある下風呂温泉郷。かつてはもっと多くの旅館が立ち並び、常連客や湯治客で賑わっていました。しかし、コロナ禍の影響やスーパー銭湯など新しい施設へ需要が移り、ここ数年でさらに宿の数が減っていったそうです。現在存続している旅館も、施設の老朽化や後継者不足などの問題を抱えており、いつ閉業してもおかしくないといいます。

下風呂温泉郷の未来を真剣に語る雅恵さん

「問題を一つひとつ解決しようとすると資金や人手が必要ですが、そこに手をかける余裕が今はありません。中には、いっそのこと旅館をたたんでしまった方が楽だと考えるひともいます。

しかし、このまま何もせず、下風呂温泉郷がなくなってしまうことだけは避けたい。どうにかしてこの大切な場所を守れないかと考え、村役場に相談して女将候補となってくれる地域おこし協力隊を受け入れてみることにしました」

これまで多くの観光客が訪れた下風呂温泉郷がなくなってしまうことは、風間浦村や下北半島の観光産業にとっても由々しき事態。雅恵さんは、「今回の募集が、後継者不足に悩む近隣の旅館にも刺激を与え、何かを変えるきっかけになってくれたら」と話します。

未来の女将を志すひとに向けて、まずは2日間の短期インターンを実施。実際に風呂掃除や料理の配膳などをしながら、下風呂温泉の女将業を体験していただきます。

募集条件は、ひとと接することが好きなひと、お客様と楽しみを共有できるひと。雅恵さんとともに下風呂温泉郷の未来を考えてくれる、未来のまるほん旅館の若女将からの募集をお待ちしています。

昔ながらのまち並みが広がる下風呂温泉郷

募集要項

事業者名

まるほん旅館

所在地

青森県下北郡風間浦村下風呂字下風呂113

ホームページ

https://maruhonryokan.com/

事業内容

旅館業

継いでほしいひと

・明るいひと

・ひとと接することが好きなひと

・お客様と楽しみを共有できるひと

・接客業に対する心構えがあるひと

・緊張感を持ってお客様と接することができるひと

※若女将の募集のため、女性限定となります。

募集人数

2

参加費

無料(宿泊費込み)

七戸十和田駅までの交通費、昼食費、夕食費は各自でご負担いただきます。

スケジュール

10〜11月中で3泊4日を予定、日程は調整可能です。

応募締切

11月10日(金)

継業までの流れ

①継業バンク経由でお問い合わせ

②応募(履歴書、職務経歴書の提出をお願いします)

③オンライン面談

④短期インターン:おためし地域おこし協力隊制度を利用した短期体験(※2023年10月~11月中を予定。移動含め3泊4日。募集人数は2人)

⑤長期インターン:1~3ヶ月 ※2024年中

⑥採用:地域おこし協力隊として任期3年間で技術を承継 ※2025年~

その他の継業情報