自然豊かな源流をつかった麺づくり。山の上の製麺所の後継者を募集 | ニホン継業バンク
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2021.05.25

継業しました!


自然豊かな場所で、源流をつかった麺づくり。山の上の製麺所の後継者を募集

後継ぎ募集

岡山県内最高峰 後山の冷涼な気候と清流をいかした麺作り

とちやま製麺工場からの眺め

岡山県と兵庫県との県境に位置する後山(うしろやま)は、氷ノ山・後山・那岐山(ひょうのせん・うしろやま・なぎさん)国定公園に属する岡山県の最高峰(1,344m)。奈良時代に行場が開かれ、現在でも女人禁制の修験場が残る霊山です。

その凛とした空気の中、深夜0時過ぎに、とちやま製麺工場の麺づくりは、はじまります。

くっついた麺をはなす杤山𠮷一さん

オーナーの杤山吉一(とちやまよしかず)さんは、この山の上の製麺工場をお父さんから引き継ぎました。杤山さんのお父さんは、兼業農家でしたが、気温が低く乾燥した後山の特有の気候が、揖保乃糸(いぼのいと)で有名な千種川の気候に似ていることから、まちおこしにと、昭和59年に製麺工場を開業、素麺づくりをはじめました。工場はお父さんが自身で建てたものです。

当時、杤山さんは神戸でフランス料理のシェフをしていましたが帰郷。まもなく製麺工場を引き継ぎました。

それ以来、この深夜からの作業を続けています。

昔ながらの手延製法

乾燥される手延べラーメンの麺

とちやま製麺工場の麺作りは、麺を二つの棒に伸ばしながらかけ直す、昔ながらの手延製法。その日の気温や湿度に合わせて、こね加減と塩加減を調整したり、麺の切れ端を無駄にしないようにするなどの努力も怠りません。

深夜の生地づくりにはじまり、午後3時過ぎまで、奥さんと4人のパートタイマーで製造します。昔ながらの製法ですが、少人数で製造するため、機械設備には1億5000万円以上を投資し、最新のものを導入しています。

夫婦二人三脚。かつては両親も含め4人で作業をしていた
杤山夫妻とパートタイマー4名の計6名で製造している。少人数での製造のため最新設備を導入し、作業の効率化を計っている

「粉から麺にするまでのすべての工程を手を抜かずにやることが大事です。とくに朝仕事は大切。時間はかかるけれど、ものづくりは人より努力する必要があります。手間隙かけていい麺をつくればしっかり売れるんです」と杤山さんはいいます。

現在は、7割程度がメーカーからの受注生産、3割がオリジナル製品の製造販売を行っています。オリジナル製品の「手延べもち麦うどん」は、美作市の推奨作物である「もち麦」をつかったつるつるもちもちのうどんで、市のふるさと納税の返礼品にもなっています。

とちやま製麺工場のオリジナル製品。美作市ふるさと納税の返礼品にもなっている

病気を患い、後継者を意識

そんな「しっかり売れている」事業を譲ろうと考えたのは、数年前に大病を患ったから。娘さんが二人いますが、親族への承継ではなく、後山の自然豊かな環境ととちやま製麺工場の麺づくりに魅力を感じてくれるひとに、事業を譲ろうと考えました。

譲渡費用や大きな設備投資なく、最新の設備や経営基盤を引き継げるのは、経済的にとても大きなメリットです。しかし、それに甘えることなく、ものづくりに対して意欲をもち、この山の上の製麺工場を末永く守ってくれる方からのご応募をお待ちしています。

製麺所の仕事は夜更けからはじまる

募集要項

事業者名

とちやま製麺工場

所在地

岡山県美作市後山1195-1

事業内容

手延べ麺の製造(うどん、ラーメン、素麺)

年商約4,200万円

HP

とちやま製麺工場HP

業務内容

工場での作業の様子

 

一日の流れ

①0:30~ 粉を練る。400kgの粉を練り、小麦粉、食塩、水をこね合わせ生地を作る

②1:30~ 練って布団のような形状になった生地を棒状にする(一番イタギ)

 

 

 

③2:00~ ②で伸ばした棒状の麺を2つに合わせて伸ばす(二番イタギ)

④2:30~ ③で伸ばした棒状の麺を4つに合わせて伸ばす(三番イタギ)

 

 

⑤2:50~4:40 油をつけて束ねた麺を細くする(油かえし/細め・こなし)

⑥7:15~ ⑤の棒状の麺を2本の棒に伸ばしながらかけ渡す(カケバ)

⑦8:30~ ⑥の2本の棒にかけ渡した麺をさらに伸ばす

⑧10:30~15:30 機械で伸ばし、乾燥させる

 

 

(⑨~⑪の工程は前日に乾燥させた麺を製品にする作業)

⑨1:45〜前日に一晩乾燥させた麺を切断する準備をする

 

 

⑩4:40~7:00  麺をカットする

⑪8:00~ 梱包作業

 

 

⑫8:30~ ⑥の2本の棒にかけ渡した麺をさらに伸ばす

⑬10:30~3:30 機械で伸ばし、乾燥させる

継いでほしいひと

・事業を承継し、継続する意思のある方

・勤勉な方

・家族連れの継業も大歓迎

 

下記の要件に該当する方

・令和3年4月1日時点で20歳以上の方 

・学校教育に基づく高等学校を卒業した方(高卒以上)

・3大都市圏の都市地域又は地方都市(条件不利地域を除く)にお住まいの方(住民票を有する方)で採用後、美作市に住民票と生活拠点を移すことができる方

・地方公務員法第16条の欠格条項に該当しない方

継いでほしいもの

・屋号

・土地・建物・設備

・取引先

・従業員

継業までの流れ

①オンライン面談

②現地面談・現地体験

③採用

④研修(パートタイム・アルバイト) 半年〜1年:2022年1月〜

⑤美作市と協議の上、地域おこし協力隊に採用:2022年4月〜最長3年間

 ・後継者候補として製造技術や経営を学んでいただきます。

⑥事業譲渡

承継条件

①研修期間中

 ・報酬:応相談

 ・勤務形態:応相談 ※早朝からの仕事が基本となります。

 

②研修期間終了後、地域おこし協力隊として採用の場合

・報酬:月給225,000円 社会保険完備、住宅あり ※その他、賞与、時間外手当、退職手当等は支給しません。

・勤務形態:1日7時間30分、週5日間、計週37時間30分。

※活動内容により、土・日曜日が休日とならない場合があります。

※夜間、土日等の勤務は、勤務時間内で調整します。

 

③事業譲渡条件

・営業権(取引先、販路、製法等)を無料譲渡

・土地建物設備は賃貸で承継

現地窓口/サポート

美作市企画振興部企画情報課 担当:尾高

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