※2022年12月19日、内容を更新しました。本募集の応募締め切りは【2023年1月31日】です。
豊岡市民のハレの日を彩る洋菓子店

JR江原駅から徒歩約5分。2020年に平田オリザ氏が主宰する劇団「青年団」の本拠地「江原河畔劇場」がオープンしたことで注目を集める豊岡市日高町。その住宅街に、一際目を引く三角屋根の店舗があります。
ショーウインドウに見た目にもきれいな洋菓子が並ぶお店の名前は「西洋菓子工房 フーケの館」。クリスマスや誕生日、結婚式などのハレの日を彩り、仕事や勉強などをがんばったご褒美として、豊岡市民をその味と見た目で癒やしてきました。

「毎日、35種類の生菓子、60種類の焼き菓子を店頭に並べています。レシピは2000以上ありますよ」と話すのは、真狩(まかり)さん。創業38年を迎えたフーケの館のオーナーシェフは、後継者を募集しています。

18歳で洋菓子の世界に入ったという真狩さんは、京都の洋菓子メーカーでの修行を経て、24歳で地元・豊岡の洋菓子店に入社。昭和59年、29歳のときに独立し、現豊岡市出石町に9坪の店舗を構えました。
コック服を着て洋菓子をつくる姿や、但馬地域ではじめてムースを提供するなど、当時新しかったそのスタイルと商品は話題となり大繁盛。10周年を機に、店舗を拡大して現在の場所に移転しました。
また、自分のお店だけではなく、地域の洋菓子文化の発展のため「洋菓子協会兵庫県但馬支部」を立ち上げ、但馬地域の洋菓子の振興と技術向上にも取り組み、教え子たちは但馬地区はもちろん、全国でお店を構えるなど活躍しているそうです。

事業を拡大してバトンを渡す

真狩さんは、今のまま事業を譲りたいわけではありません。事業をより大きくしてから後継者にバトンを渡したいと考えています。そのため、数年間は真狩さんから洋菓子づくりを学びながら、事業を成長させるパートナーとして事業拡大に一緒に取り組んでほしいと思っています。
「まちの人口が減ったり、新型コロナウイルス感染症があっても、外注の依頼は来ています。いまの課題はそれに応える製造体制。外注を増やしていけば売上を倍増することはできると思っています」と話し、フーケの館では積極的に設備投資を行い、製造体制を強化しています。現在の製造は3名体制。それでも受けきれないほど外注の相談があるそうです。
とは言え、人口減が進む中での売上倍増は低いハードルではありません。売上を拡大するためには新しいアイデアや取り組みが必要とされることは間違いありません。

後継者には洋菓子製造の経験があることが好ましいですが、未経験者も大歓迎。真狩オーナーが築きあげてきた38年間のノウハウを習得するためには、経験者でも2年前後、未経験者なら4年前後が必要だといいます。
豊岡市で新しく始まる「継業型地域おこし協力隊制度」を活用して承継に取り組んでいただくので、承継に向けた最初の1年間は豊岡市がサポートします。
「まずは2000通りのレシピをしっかり覚えていただきたい。お客様に馴染みのある味を再現できるようになったら、自分でお菓子のメニューを開発して販売してもらうこともできます」と真狩オーナーは話します。

承継後の具体的な条件面については、地域おこし協力隊として活動しながら一緒に考える予定です。
「売上を倍にして前オーナーからお店を引き継いだんだ」そんな武勇伝をあなたが語る日を、真狩さんは楽しみにしています。

「継業型地域おこし協力隊」の募集締め切りは、2023年1月31日(火)です。まずはお気軽にお問い合わせください。